外科・消化器外科 
-疾患と治療-

疾患別の治療1 -消化器の悪性疾患-

■ 胃がん

胃がん治療ガイドラインに準じて治療を行っています。早期胃がんには消化器内科により究極の低侵襲治療である内視鏡的切除(ESD)が行われていますが、少し進行した胃がんにはほぼ全例に腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡下胃全摘術は高度な技術を要しますが、経験を積んだスタッフにより安全に手術を受けていただけます。スキルス胃がんなどのいわゆる進行胃がんには、審査腹腔鏡検査により腹膜転移の有無を観察後に治療を行いますので、過大な手術侵襲を避けることが可能になりました。最近は分子標的治療などの抗がん剤治療(化学療法)の進歩により、進行胃がんの予後は良くなってきています。また胃粘膜下腫瘍(GIST)と呼ばれる良性腫瘍(大きくなると悪性化することが知られています)に対しても腹腔鏡下手術で胃の部分切除を行っています。

 

 

■ 大腸がん 
(結腸がん・直腸がん)

大腸がん治療ガイドラインに準じて治療を行っています。大腸内視鏡検査により診断を行い、可能であれば消化器内科により内視鏡的切除術が行われています。少し進行した大腸がんにはほぼ全例に腹腔鏡手術を行っています。進行度やがんの状態によっては腹腔鏡手術が行えない場合もありますが、手術までに説明し相談させていただいております。最近は分子標的治療などの抗がん剤治療(化学療法)の進歩により、進行大腸がんの予後は良くなってきています。

 

 

■ 肝臓がん、膵臓腫瘍 
(膵臓がんを含む)

肝臓がんや膵臓腫瘍に対しては、可能であれば腹腔鏡手術も導入しています。肝臓がんの治療では、手術のほかにもIVR(治療的放射線医学)による治療法を考慮する必要もありますが、当センター放射線科ではIVRを積極的に行っており、放射線科医師と協力して最適な治療が選択できるように体制を整えております。

 

 

疾患別の治療2-消化器の良性疾患-

■ 胆のう疾患

胆石、胆のうポリープ、胆のう炎などが治療対象となります。いずれの疾患におきましても、ほぼ全例に腹腔鏡手術を行っています。総胆管結石の場合には、まず消化器内科で内視鏡的に総胆管結石摘出後に、外科で腹腔鏡下胆のう摘出術を行いますが、外科・内科の連携により短期間での治療が可能です。胆のう炎症状が軽ければSILS(単孔式腹腔鏡手術)で手術を行いますが、術後3日目に退院が可能です。

 

 

■ そけいヘルニア

いわゆる脱腸と呼ばれ、加齢によりそけい部(股の付け根)の筋肉が弱ってくることにより発症します。年間約100件の手術のうち、50%程度に腹腔鏡手術(TAPP)を行っています。残りの50%は従来からのメッシュプラグ法で行っていますが、いずれも術後2~3日で退院が可能です。そけいヘルニアで脱出した腸が戻らなくなった状態を嵌頓(かんとん)と言いますが、嵌頓の場合には緊急手術が必要となりますので早めの受診が必要です。

 

 

■ 虫垂炎

炎症の程度が軽いものからカタル性、蜂窩織炎(ほうかしきえん)性、壊疽(えそ)性、穿孔(せんこう)性と分類されます。カタル性の場合には抗生剤による保存的治療が可能ですが、抗生剤の無効なカタル性や蜂窩織炎性虫垂炎にはSILS(単孔式腹腔鏡手術)での手術を行い、術後2~3日で退院が可能です。壊疽性や穿孔性の場合は重症であるため開腹手術が基本で、1~2週間程度の入院が必要ですが、腹膜炎症状が軽いと診断され腹腔鏡手術が可能な場合には比較的早期の退院も可能です。

 

 

■ 腸閉塞

手術後の癒着(ゆちゃく)や腸重積(じゅうせき)、内ヘルニア、そけいヘルニアの嵌頓(かんとん)のほかに、大腸がんや胃がん、膵臓がんなどの悪性腫瘍など、さまざまな原因により発症します。状態が安定している場合には、絶食、点滴などによる保存的治療を行いますが、生命の危険を伴う場合には緊急手術が必要です。まずは腹腔鏡により腸閉塞の原因を調べ、可能な場合には癒着の剥離(はくり)や腸切除などを腹腔鏡手術で行いますが、困難な場合には開腹手術に切り替えることも可能です。また大腸がんなどの悪性疾患が原因の腸閉塞では人工肛門が必要な場合がありますが、腹腔鏡手術では最小限の傷で行うことが可能です。

 

 

疾患別の治療3-乳腺の疾患-

乳癌検診などで腫瘍(しこり)が疑われた場合はマンモグラフィーやエコー、CT検査などにより診断を行います。乳がんと診断され、手術やホルモン療法のみで可能な場合には当科で治療を行いますが、放射線療法や化学療法などの集学的治療が必要な場合には、他施設との連携により診断や治療をすすめています。

 

>腹腔鏡手術

 

 

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