中央放射線部では、放射線や磁気などを利用し、患者様の画像情報を依頼医に提供しています。当センター診療科の検査依頼だけでなく、他施設の医療機関からの紹介患者様の検査も施行しております。センター内はもとより近隣の医療機関としっかり連携し、質の高い画像情報を提供することで画像診断の支援に努めています。
スタッフ
放射線技師 24名
各種認定資格 | |
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救急撮影認定技師 | 2名 |
検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師 | 2名 |
X線CT認定技師 | 3名 |
肺がんCT検診認定技師 | 1名 |
大腸CT検査認定技師 | 1名 |
血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師 | 3名 |
第一種放射線取扱主任者 | 3名 |
放射線管理士 | 1名 |
放射線機器管理士 | 1名 |
医療情報技師 | 3名 |
磁気共鳴専門技術者 | 1名 |
受付
中央放射線部受付では予約、または当日検査を受付にてお受けしています。
場所:本館1階 救急外来入り口・整形外科外来の前
各種検査及び装置の紹介
■ 骨密度測定
(装置:LUNAR DPX-L GE製)
2種類の強度のX線を使用したDEXA法で骨の強さを測定しています。他の方法(超音波法、MD法など)よりも精度の高い検査法です。
この検査は、主に骨粗鬆症の診断やホルモンのバランス異常、先天性の代謝性骨疾患の診断に用いられます。
測定する部位は主に腰椎や股関節で、検査台に寝ていただくだけで息を止めたりする必要はありません。
検査に要する時間は10分前後です。
■ 乳房撮影
(装置:AMULET Innovality FUJI FILM製)

女性の放射線技師5名で担当しています。
乳房専用のエックス線装置を用いて撮影します。鮮明な画像を撮るため、乳房を圧迫した状態で撮影します。通常2つの方向から撮影しますが、みえにくいところがあった場合は追加で撮影する場合もあります。
この検査は、乳がんの発見に用いられますが、しこりを形成しない早期乳がんの発見に優れています。
検査に要する時間は15~30分です。
2022年2月に装置更新しました。
・痛み軽減を目的とした圧迫自動減圧制御機能搭載
・乳房内部をより詳細に描出できるトモシンセシス搭載
■ 一般撮影
(発生装置:RADspeed Pro 島津製 3台)
胸部、腹部、頭部、四肢など身体の様々な部位の撮影を行います。人体を透過したX線を電気信号に変換することでレントゲン写真を作成するフラットパネルディテクター(FPD)とよばれる機器を導入しています。FPDはより低被ばくでのレントゲン撮影が可能で、画像確認も短時間で行えるため、患者様の負担軽減の一翼を担っています。
肺や心臓の状態を確認したり、腹腔内に異常がないか調べたり、骨折の有無などを診断できます。また、手術後の経過を見るために繰り返し撮影する場合もあります。
検査に要する時間は撮影部位により様々ですが、5~15分程度です。
■ X線TV撮影
(装置:DAR-8000f 島津製、VersiFlex VISTA 日立製)
X線を用いて目的の部位を透視で観察しながら様々な検査を行います。必要に応じてバリウムやヨード系の造影剤を使用します。主に行われる検査には、胃食道造影、大腸造影(注腸)などの消化管検査、泌尿器領域の尿路造影、膀胱造影、消化器内科領域のERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、コロンファイバー(大腸内視鏡検査)などがあります。検査に要するおおよその時間は下記の通りです。
・胃食道造影 10~20分
・大腸造影 25~35分
・ERCP 60分
・コロンファイバー 30分
■ CT検査
(装置:Aquilion ONE、Aquilion Prime SP 2台ともCanon製)
X線を用いて輪切りの画像を撮影します。ドーナツ状の機械の中にX線を出す管球と向かい合った検出器が配置されており、それらを回転させて撮影し、コンピューターにより再構成を行って画像が作成されます。
レントゲン撮影よりも人体の内部情報を詳細に観察でき、造影剤を使用することによって血管走行や臓器の血流状態を確認できるため、病気の発見に有用です。
多方向の輪切り画像はもちろん、得られた画像データから3D画像や血管の4D画像を作成することができ、手術計画やのシミュレーションのサポートにも役立っています。
検査に要する時間は5~15分程度です。
■ MRI検査
(装置:MAGNETOM Vida Fit 3.0T SIEMENS製)
人間の体は60~70%が水、20~30%が脂質でできており、それらにはたくさんの水素原子が含まれています。MRIはこの体内の水素原子の量や状態を画像にする検査で、強力な磁石の力が発生するトンネルのような装置と電磁波を利用していろいろな断面像(横断像、冠状像、矢状像)を得ることができます。X線を使用しないので被ばくがなく、病変部と正常組織のコントラストが良好で病気の種類の推察に役立ちます。検査内容によっては造影剤を使用しますが、造影剤を使用しなくても血管画像を得る事ができます。しかし、一度でできる検査の範囲が狭く、検査に時間がかかるという欠点があります。また、3.0T対応ペースメーカーを植え込まれている患者様は検査可能ですが、それ以外のペースメーカーや人工内耳が体内にある場合は検査できず、閉所恐怖症の方には不向きな検査です。
検査に要する時間は20~60分程度です。
2023年1月にバージョンアップされています。
■ RI検査
(装置:Symbia E Dual Head System SIEMENS製)

微量の放射性医薬品(放射線を放出する薬品)を体内に投与(静注もしくは内服)し、目的部位に取り込まれ、身体から放出される放射線をガンマカメラという専用の装置で撮像する検査です。投与された放射性医薬品は、時間とともに放出される放射線量も減少し、尿や便などで体外に排泄もされるので安心してください。
検査目的に応じて使用される放射性医薬品は異なるため、投与と同時に撮像を開始する検査もあれば数時間後、数日後に撮像する検査もあります。撮像は検査台で静かに横になっていただくだけですが、所要時間が20~60分と長時間となります。
当院で行われている主な検査と撮像時間は下記の通りです。
骨シンチ(午前に注射、午後から撮像) 撮像時間 約60分
脳血流シンチ(午前中に注射と撮像) 撮像時間 約30分
心筋シンチ (注射30分後に撮像を午前と午後で2回行う)撮像時間 約20分
■血管造影検査
心臓、頭部、腹部、四肢などのカテーテル検査および治療を行います。鼠径部もしくは手の動脈からカテーテルという細い管を血管内に挿入し、造影剤を直接血管内に流して血管撮影を行います。血管の状態や形状を把握したり、病変部への血行状態を知ることができ、必要に応じて治療を行っています。治療は傷口がほとんどなく低侵襲で、回復も早く、入院期間が短いなどのメリットがあり、外科手術に匹敵する有効な手術です。当院では血管造影検査室が4室あり、心臓専用装置(2室)、頭部専用装置、腹部および四肢専用装置があります。
■ 腹部血管撮影
(Trinias C12 島津製)
肝細胞癌などの腫瘍に栄養供給している動脈に対して、抗がん剤と共に塞栓物質を注入することで腫瘍を壊死させる治療(TACE : 肝動脈化学塞栓療法)を行っています。また、腹部の炎症などにより溜まった膿(膿瘍)を取り除くためのチューブを入れたり、狭窄部位を広げたりする手技も行っています。交通外傷などにより体の内部に血管損傷があった場合は緊急で出血源の特定及び止血術を行っっています。また、CVポートや中心静脈カテーテルの留置術も行っており、これを留置することで抗がん剤の投与を行ったりする際に何度も針を刺さなくて良くなります。
■ 頭部・心臓撮影
(装置;Trinias B12、島津製)
頭蓋内病変に対する手術前の血管情報を得るための検査としても行われますが、血管由来の病気に対する治療としても行われる撮影です。
未破裂の脳動脈瘤に対してコイルと呼ばれる塞栓物質を留置したり、頸動脈の狭窄部位に対してステントを留置し、血管拡張術を行ったり、慢性硬膜下血腫に対する出血部位の塞栓術を行ったりします。また、緊急を要する脳梗塞の治療として、梗塞の原因となる血栓を回収することで脳の血流を再還流させ、途絶えた血流を正常な状態に戻す事が出来ます。
検査に要する時間は1時間程度ですが、治療が必要になると2~3時間に及ぶこともあります。
また、心臓に於きましては、不整脈の治療の一つのカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)治療などもしています。
治療に要する時間は、様々で2時間~5時間程度掛かるものまであります。
■ 心臓撮影
(装置:AXIOM Artis D-FC シーメンス製)
通常のX線写真では血管は写らないため、カテーテルという管を血管内に進めていき、X線を透過しない物質である造影剤を注入して撮影を行います。
こちらも検査だけではなく、狭窄した心臓の血管を、バルーンカテーテル(風船)で血管を拡張させたり、ステントを留置したり血管形成術をしています。
検査に要する時間は、様々で1時間程度のものから、3時間程度掛かるものまであります。
■ 心臓血管撮影
(装置:AXIOM Artis D-FC、Artis Q BCSIEMENS製)