このような症状の方へ
このような症状があれば受診をお勧めします。
■ むくみや息切れ
急性腎炎やネフローゼ症候群の可能性があります。
■ 倦怠感や食欲不振
急性腎不全や末期腎不全の可能性があります。
■ おしっこが少なくなった、あるいはおしっこがでない
腎炎、腎不全、尿閉などの可能性があります。
■ おしっこが泡立つ
ネフローゼ症候群の可能性があります。
■ おしっこの色がかわった
腎炎や泌尿科疾患の可能性があります。
■ 健康診断で蛋白尿を指摘された
ネフローゼ症候群や慢性腎炎症候群の可能性があります。
診療内容
(年別実績)
年度 |
2014 |
2015 |
2016 |
2017 |
2018 |
2019 |
2020 |
2021 |
2022 |
経皮的腎生検 |
25 |
23 |
42 |
36 |
40 |
30 |
28 |
34 |
41 |
透析導入 |
20 |
27 |
32 |
34 |
35 |
47 |
44 |
54 |
54 |
腎疾患
■ 腎炎・ネフローゼ症候群
健診や開業医の先生から,腎炎・ネフローゼ症候群を疑われてご紹介頂いた患者様に対して,血液尿検査や腹部エコーなどの画像検査を行って慢性腎炎症候群やネフローゼ症候群の診断を行っています.その結果でさらに精密検査が必要と判断された場合には腎生検を積極的に実施しています.当院での腎生検施行数は年間約40例で,主に超音波ガイド下で安全に実施しています.
腎炎・ネフローゼ症候群の治療は,その原因となる病気の種類によってかなり異なります.患者様にとって有益と判断された場合には,ステロイド剤や免疫抑制剤による治療を行います.治療を始める前に治療成績や副作用について時間を充分にとってわかりやすく説明するように心懸けています.
腎炎の半分近くを占めるIgA腎症の治療方法は,施設によって様々で意見が分かれています.当院では患者様にとって最適な治療を検討し,患者様個人に応じてレニン・アンギオテンシン系抑制薬の投与から口蓋扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法まで行っています.
■ 慢性腎不全
日本では,成人の8人に1人が慢性腎臓病であり,血液検査でGFRが60未満または尿検査で蛋白尿(1+)以上が3か月持続した状態を指します.透析導入までの慢性腎臓病腎臓病に対しては,食事・薬物療法を中心とした保存療法を行って最大限透析導入までの期間を延長できるように努めています.それでも腎臓病が進行してしまった患者様には,慢性腎臓病教育入院を勧めています.入院中に腎臓病についての説明や食事指導を行って,将来の腎代替療法への理解と不安を少しでも解消できるよう説明を行っています.
また,医療控除の対象となる腎臓機能障害に関する身体障害者の申請も行っていますのでお気軽にご相談下さい.
■ 糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は糖尿病の合併症のひとつで,透析導入の1番の原因です.大量の尿蛋白がみられるためひどくむくんだり,腎機能が急速に悪化して早期に腎代替療法が必要になることが多いです.蛋白尿陽性,むくみ,腎機能が悪い糖尿病性腎症の患者様は早急に腎臓内科への受診ください.
■ 膠原病
膠原病は,免疫系が誤って体の健康な部分を攻撃する自己免疫疾患の一種です.この病気では,体の中にある「膠原線維」と呼ばれる組織が攻撃され,炎症が引き起こされることがあり,この炎症が腎臓に影響を及ぼすことがあります.膠原病は原因不明の発熱や関節痛,皮疹などで疑われます.こうした症状が検尿異常とともにみられた場合は,腎臓内科へ受診してください.免疫抑制療法や血液浄化療法を用いて治療を行います.
■ 腎代替療法
腎代替療法には,腎臓の機能のうち,体液量やミネラルの調節・老廃物の排泄を補うことができる透析療法(血液透析と腹膜透析)と,腎臓のほぼすべての機能を補うことができる腎移植があります.
血液透析は,透析室に週3回通院し,3-4時間行います.血液透析を行う前には内シャントなどのバスキュラーアクセスの準備が必要となります.内シャント作成術は泌尿器科が担当していて,3日間の入院が必要になります.シャントが使用可能となれば(約2週間)透析導入のため入院します.
腹膜透析は,透析液を腹腔内に貯留して腹膜を使用して老廃物の排泄を行います.腹膜透析を行う前には腹腔内に透析用カテーテルを挿入するための手術が必要で,泌尿器科が担当しています.当院では,泌尿器科で手術した後,腎臓内科に転科して腹膜透析を導入します.
そのほか,薬物中毒や一部の自己免疫性疾患などにおいて,血漿交換等の血液浄化療法を担当しています.