心臓血管外科 
-疾患・治療-

こんな症状はありませんか

このような症状があれば受診をお勧めします。

 

■ 息切れ

■ 胸痛

■ 胸部不快感(坂道を上ると息が切れる。動悸がする)

■ 腹部に拍動性の隆起物が触れる

■ 近医でのエコーやレントゲンで動脈瘤が疑われた

■ 下肢が冷たい

■ 歩くと足が痺れる。痛くなる

■ 足の色が悪い

■ 突然、足が動かなくなった。冷たくなった

■ 下肢に静脈がこぶのように見える

■ こむら返り

■ 下肢のかゆみ

 

 

治療について

心臓血管外科では心臓および血管に対する治療を行います。

虚血性心疾患、いわゆる心筋梗塞、狭心症に対しては、冠動脈バイパス術を行います。心臓弁膜症に対しましては、人工弁を用いた弁置換術や壊れた弁を修復する弁形成術を行います。

血管が太くなる大動脈瘤に関しましては、人工血管置換術、ステントグラフト内挿術(カテーテル治療)を行います。それぞれの利点を生かして、両方の治療を組み合わせて治療を行うこともあります。

下肢閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化で血管が細くなったり、詰まったりして、手足の血流が悪くなる病気です。これに対しても外科手術、カテーテル治療の利点を生かして、治療を行っています。

下肢静脈瘤は、心臓へ戻る血管(静脈)の機能が低下して、下肢に血液が溜まりやすくなった状態です。最近、増加している手術の一つで、血管内焼灼術(カテーテル治療、レーザー治療)を行っています。また、接着材による静脈塞栓術(グルー治療)を導入しました。ともに侵襲が少なく、日帰りもしくは1日の短期入院が可能になっています。

 

 

■ 狭心症・心筋梗塞に対する外科治療

心臓血管外科専門医が迅速に対応し、早期に手術が必要な場合は、緊急手術にも対応しています。

 

■ 弁膜症に対する外科手術

  1. 大動脈弁狭窄症:近年、高齢者の大動脈弁狭窄症の患者さんが増加傾向で、生体弁を用いた大動脈弁置換術を行います。
  2. 僧帽弁閉鎖不全症:僧帽弁閉鎖不全症に対しては、できる限りご自身の弁を温存し、人工弁を用いない形成術を行っています。
  3. 大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症:弁膜症の原因に合わせて、適切に判断し、置換術や形成術を行っています。
  4. 心房細動:弁膜症に合併することが多い心房細動に対しては、メイズ手術を行い、正常なリズムに戻します。これにより脳梗塞のリスクを減らすことができます。

     

    心臓手術は、胸の真ん中を切る正中切開が主ですが、右の胸の下を小さく切る方法があります。弁膜症では、条件が合えば積極的に行っています。骨を切りませんので、回復が早く、早期に社会復帰ができるとされています。今後、増えていく術式になると思っています。

 

■ その他の心臓手術

心房中隔欠損症、心臓腫瘍等の心臓手術も行います。

 

■ 動脈瘤に対する外科治療

胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤:主に動脈硬化が原因となり、大動脈が拡大してきます。症状はないことがほとんどですが、破れると致命的となります。これに対しては、人工血管置換術を行い、破裂を予防します。
また、放射線科と連携して、カテーテル治療(ステントグラフト内挿術)を行っています。侵襲が少なく、より身体への負担を減らすことができます。両方の利点を生かして、組み合わせて治療を行うことで、今までは治療困難であった場合でも治療が可能になることがあります。
急性大動脈解離:多くの場合が緊急手術の適応であり、迅速に対応させて頂きます。
末梢動脈瘤:大動脈以外の動脈瘤に対しては、それぞれの状態に合わせて、治療を選択します。

 

■ 閉塞性動脈硬化症に対する外科治療

下肢のしびれ、疼痛、歩行時の下肢のだるさは血管の狭窄や閉塞が原因となることがあり、これに対してはバイパス手術、カテーテル治療で治療します。

バイパス手術とは静脈を用いて、閉塞部位を飛び越えて、詰まった先に血液を流す手術です。当科では足関節から先の細い血管にもバイパスを行い、切断を回避し、足を残すことに努めています。

カテーテル治療も身体への負担が少なく、病変によっては効果的な血流が得られます。血管の病変によって、それぞれの利点を生かし、バイパス手術、カテーテル治療を同時に行うことで、より血流を良くすることもできます。

切断が必要となる重症虚血肢は奈良県内だけでなく、遠方からも受診して頂くことが多くあり、足を残せるよう様々な手術を行っています。

 

■ 急性動脈閉塞に対する外科治療

心房細動等が原因となり、突然四肢の血管が血栓により閉塞し、血流が低下することがあります。これは緊急手術の適応となり、迅速に対応させて頂きます。

 

■ 下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は見た目、膝下に血管が浮き出てきている状態です。決して、悪い状態ではありませんが、むくみ、だるさ、かゆみ、こむら返りなどの症状、外見的理由が治療の適応になってきます。

治療は血管内焼灼術(カテーテル治療、レーザー治療)という、局所麻酔での治療になります。悪くなった静脈にカテーテルといわれる細い管を入れ、原因となる血管を処理します。熱で処理したり、最近では糊(接着材)で静脈を詰めたりする方法があります。ともに負担は少なく、日帰りもしくは1日入院で可能です。

下肢静脈瘤は、最近、ご相談を頂くことが多くなりました。今後もより効果的な治療を行っていきたいと思っています。

 

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