がん治療センターからのお知らせ
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がん治療センターとは
医学の進歩に伴い、消化器内視鏡治療、がんの腹腔鏡下治療やロボット支援下手術の普及により、低侵襲治療は標準的治療となりました。また近年がん患者からの相談は多様化しており、がん患者を取り巻く社会環境の複雑化によるニーズへの対応が必要となっています。そのためこれまでの「消化器がん低侵襲治療センター」より「がん治療センター」へと令和6年4月1日に名称を変更いたしました。今後はがん全体をがん治療センターで統括いたします。
がん治療センターではがんの専門的な治療のために1.手術療法・薬物療法・放射線療法(他施設との連携)による集学的治療の提供 2.がんと診断されたときからの緩和ケアの提供 3.がん診療連携拠点病院との連携 4.キャンサーボードによる多職種での検討5.早期診断や緩和ケアに関する研修の実施 6.院内がん登録の推進 を主に行っております。
また、がん治療センターでは患者さんやご家族の疑問や不安を軽減、支援するために「がん相談支援センター」を設置しております。
がん治療について
現在行われている主ながんの治療法は、①手術療法 ②薬物療法 ③放射線療法があり、これらはがんの3大治療法と呼ばれています。
手術療法
手術の目的は、根治を目指す場合と、がんによる不快な症状を取るために手術する場合があります。かつて、手術といえば、開腹、開胸など体に大きな傷跡がつく手術が主流でした。しかし、近年の技術発展によって、カメラ越しに行う鏡視下手術(腹腔鏡/胸腔鏡など)やロボット手術というような、患者にとってより低侵襲で精密な手術を行うことができるようになりました。
当センターでも各診療科で実績がございますので、診療実績に関しては各診療科のページをご参照ください。
薬物療法
がんを治したり、あるいは、がんの進行を抑えたり、がんによる身体症状を緩和したりすることを目的として行います。
薬物療法には、「化学療法」「内分泌療法(ホルモン療法)」「分子標的療法」などの種類があります。化学療法という言葉がよく使われますが、「細胞障害性抗がん薬」という種類の薬を使う治療のことを、化学療法ということがあります。
近年、抗がん薬の副作用を和らげる薬が進歩し、がん薬物療法を外来通院でも受けていただけるようになってきました。このように、外来で受けるがん薬物療法を外来化学療法と呼びます。当センターでは外来化学療法室を6床有しており、がん薬物療法看護認定看護師が在籍し、日常生活の過ごし方や副作用の対処法など、さまざまなご相談に対応し、安全で安心できる治療・看護の提供に努めています。また、薬物療法のレジメン※の妥当性を評価し、承認する委員会を定期的に開催しております。
※薬物療法を行う上で、薬剤の用量や用法、治療期間を明記した治療計画のこと
放射線療法
手術と同様、局所に対する治療ですが、手術のように臓器を取り除いたりすることなくがんの部分に放射線をあてて治療します。胸部X(エックス)線撮影と同様に、放射線があたっても、痛みや熱を感じることはありません。
治療の目的は、完治を目指す場合と苦痛を緩和する場合の2つに分かれます。単独で行われることもありますが、手術や薬物療法と併用されることもあります。
当センターでは各診療科で放射線療法の適応の検討を行い、必要とされる場合は患者さんのご希望の病院や、連携施設である奈良県総合医療センター、奈良県立医科大学附属病院等へ相談、ご紹介しております。
我が国に多いがんの治療の実施状況
希少がん等の治療について
がんの難治性疼痛に対する神経ブロックについて
がんによる痛みの治療は多くは適切な薬物療法によって緩和することが可能ですが、緩和が困難な難治性疼痛も1~2割程度存在します。神経ブロックは難治性疼痛に対する有力な治療手段であり、がんによる痛みを和らげるため、痛みのある部位に関連する神経を遮断する治療法のことです。当院では各診療科にて疼痛原因評価と薬物療法を行いながら麻酔科医と相談し、神経ブロックの適応が必要とされる場合は患者さんのご希望をお伺いし、連携する奈良県立医科大学附属病院や近医のペインクリニック等へ相談、ご紹介しております。
がん相談支援のご案内
病気になると、身体のことばかりでなく様々な心配ごとが出てきます。
当センターでは、がん専門相談員が患者さんやご家族のお話しを伺い、
一緒に考え問題解決のお手伝いをさせていただきます。
相談内容について
例えばこのようなときご利用ください・・・
- がんと言われ、これからのことを考えると不安でいっぱい。
- 医師から病気のことを説明されたが、難しくてよくわからない。
- 治療や手術にかかる費用が心配。
- 病気になった家族にどう接したらよいかわからない。
- 抗がん剤の副作用による脱毛に備えてウィッグを準備したい。
- 退院が決まったが、自宅でどう過ごしたらよいのかわからない。
- 緩和ケアについて知りたい。
その他、何か気になることがあればお気軽にご相談ください。
相談は無料です。
相談内容の秘密は厳守いたします。ただし治療上、医療従事者間で情報共有をする場合は事前にご確認させていただきます。
がんに関することであれば当センターを受診されていなくてもご相談いただけます。
ご相談内容によってはすぐにお答えできない場合もございますのでご了承ください。
また、関連書籍の閲覧や冊子の配布も行っております。
がん相談支援センターのご利用方法
受付時間:9時~16時 月曜日~金曜日(祝日を除く)
相談方法:面談及び電話
〇 来院の場合
がん相談支援センター(1階 ファミリーマート前)にお越しください。
※担当の医師、看護師に依頼していただくこともできます。
〇 電話の場合
0745-32-0505(代表)に連絡いただき、電話交換に
『がん相談希望』とお伝えください。
相談場所:1階 がん相談支援センター(ファミリーマート前)
がん患者サロン 「ファミーユみむろ」
2024年10月から当センターでがんサロンを開催することになりました。
がんに関する悩みや心配事はありませんか?
がん患者さんやそのご家族が、同じ体験をした仲間と語り合える場所として『がん患者サロン』を開催いたします。お気軽にお越しください。
対象者
がん患者さん、ご家族 (当院での受診歴は問いません)
日時
偶数月第3水曜日 14:00~15:30
場所
奈良県西和医療センター内
(開催日が近づいて参りましたら詳細をこちらに掲載いたします)
お問合せ先
奈良県西和医療センター がん相談支援室 0745-32-0505(代表)
※事前申込は不要です ※参加費は無料です
※途中入退室はご自由ですのでお気軽にご参加ください
がんサロン開催
ファミーユみむろ開催歴
緩和ケアについて
『緩和ケア』と聞くとどのようなイメージがありますか?
がん自体の治療ができなくなった人や末期の人が受けるものと思っていませんか?
緩和ケアはもっと早い時期から行います。
がん患者さんは、がん自体の症状のほかに
- 痛みやだるさ、食欲がないなどの身体的な症状
- 気分の落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛
- 治療費や経済的な不安
- 仕事や生活上の心配
- なぜ自分がこんな病気になってしまったのか、
- どうしてこんな辛い思いをしないといけないのか、
などの気持ちになり、このような症状はがんと診断されたときから生じます。
『緩和ケア』は、患者さんやそのご家族の身体や心などのさまざまな苦痛を和らげ、
より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアです。そのために、診断された早い時期から治療と並行して緩和ケアを行うことが大切です。
緩和ケアチームについて
当院では様々な苦痛を軽減できるように、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・リハビリテーションスタッフ・医療ソーシャルワーカー等の多職種で構成される緩和ケアチームが活動しています。主治医や担当看護師と連携しながら、患者さんとご家族が抱えている様々なつらさを緩和し、治療や療養上のサポートを行っています。『緩和ケア』についてのご相談は、主治医や看護師、がん相談支援室にご相談ください。
緩和ケア外来について
緩和ケア外来とは?
緩和ケアとは、がんに伴うからだやこころの苦痛症状をやわらげて、患者さんやご家族がその人らしく過ごせるように支えるケアです。
緩和ケアは病気の進行期や末期だけでなく、がんと診断された時点から療養の経過を通じて受けることができます。診療科の外来では時間も限られているため、診療時にはいえずに我慢してしまうという状況は珍しくないかもしれません。そこで患者さんがより自分らしい生活を送っていただくことを目的として「緩和ケア外来」を設置しました。
外来診療日(完全予約制)
日時:毎週木曜日 13:00~
受診について
完全予約制となります。当センターに通院中の方は主治医にご相談ください。
他院に通院中の方は現在かかりつけの医療機関より当院の地域医療連携室を通してご予約をお願いします。
なお、当センターには緩和ケア病棟はございません。
患者さんにご持参いただきたいもの
- 診療情報提供書
- 画像や検査データ(あれば)
- お薬手帳
問合せ先
奈良県西和医療センター 地域医療連携室 0745-32-0531(直通)
緩和ケア研修会について
がん診療に携わるすべての医療従事者が基本的な緩和ケアを理解し、知識や技術を習得することで緩和ケアが診断時から適切に提供されることを目指しています。奈良県においても、がん診療連携拠点病院等が主体となり「まほろばPEACE緩和ケア研修会」を開催しています。
当院でもがん診療に携わる医師に対して積極的な受講を促しております。
人生会議(アドバンス・ケア・プランニング Advance Care Planning:ACP)
もしもの時のために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療チーム等と繰り返し話し合い、共有する取り組みのことをいいます。
当院でも意思決定支援のガイドラインを定め、患者さんの意思と選択により最善の医療を受けていただくことが大切と考えております。
がんに関する情報
院内がん登録
院内がん登録とは、がんと診断されたすべての患者さんの情報を集積・登録する仕組みです。登録されたデータはがん診療の実態を明らかにするための情報として活用され、がん診療の質の向上や患者さんへの支援に役立てます。登録情報は個人情報保護法に基づき管理されているため、患者さん個人の情報が特定されることはありませんのでご安心ください。
初発の5大癌のUICC病期分類並びに再発患者数
県内のがん診療の拠点となる病院
がんに関する情報
セカンドオピニオン
セカンドオピニオンとは、現在の病気について、診断や病状の評価が妥当であるか、提示された治療法が妥当であるか、他の治療法があるのかなどについて、主治医以外の他の専門医の意見を求めることです。
他の医師も同様の見解であれば、主治医の方針が妥当であることが確信できますし、違う意見が出た場合にはどちらの方針が自分にとって納得できるものかを考えることができます。セカンドオピニオンは患者の権利であり、納得して治療を受けるためには大事な事です。
セカンドオピニオンは原則として元の病院から提供された資料のみを参考にして意見を述べますので、当院で新たに検査などを行うことはありません。また、セカンドオピニオンを行った後は、その内容を元の主治医に文書で伝えますので、次回の受診時に主治医の先生と話し合いをしていただければと思います。
なお、セカンドオピニオンは転院のための手続きではありません。他の医師の意見を聞いたうえで、元の病院に戻るのが前提です。転院を希望されている場合は保険診療として、通常の紹介状を持参して受診してください。また、セカンドオピニオンを聞いた結果として転院を希望される場合も、改めて転院の紹介状を元の主治医から頂く必要があります。
セカンドオピニオンは、引き受ける側の医師にとっては大変な労力を伴う作業です。初対面の患者さんの治療経過と検査データを読み込んだうえで、自分なりの見解や治療方針を説明しなければいけません。そのため、あらかじめ知りたいことや疑問に思っている事を整理しておいてもらえると助かります。
セカンドオピニオンを扱っている疾患・診療科
外科: 大腸癌
乳腺外科: 乳癌、乳腺疾患全般
料金について
セカンドオピニオンは健康保険による診療ではなく自費診療となりますので、施設によって料金の設定が違います。当院では60分まで22,000円となっています。
予約方法
現在かかりつけの医療機関より当院の地域医療連携室を通して予約をお願いします。
詳しくは現在かかりつけの医療機関にお尋ねください。
お問い合わせ先:地域医療連携室 TEL:0745-32-0531(直通)
セカンドオピニオンで必要なもの
〇 これまでの病歴についての紹介状(診療情報提供書)
〇 レントゲン、CT、MRIなどの画像検査データ