外科・消化器外科からのお知らせ
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地域の先生方へ(診療科の特徴)
奈良県西和医療センターは奈良県地域がん診療連携支援病院の指定を受けることを大きな目標としており、その中核である外科・消化器外科では西和地区の基幹病院としての役目を果たすべく、弛まぬ努力を続けております。
手術日は月曜日から木曜日の週4日、2021年~2022年の2年間はコロナ禍の影響を受けながらも計665例の予定手術を、また155例の緊急手術を実施いたしました(図1)。重症急性期治療を要する腸管壊死や腸管穿孔などの症例では、術後に集中治療室で臨床工学士の協力のもと持続緩徐式血液濾過透析(CHDF)やエンドトキシン吸着療法(PMX)管理を行える体制となっております。
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当科の特徴として、専門性を考え、上部消化管は上野が、下部消化管は石川と樫塚が、肝胆膵は山戸が主に担当し、専攻医と治療に当たります。また従来から低侵襲手術を重視しており、内視鏡治療(早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層切除術)から腹腔鏡手術、さらに高度進行癌まで一貫治療ができるように体制を整えております。また腹腔鏡手術の施行については、数ある奈良県立医科大学消化器外科関連病院の中でも有数の施設として評価されるにいたっております(図2)。
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当センターの基本理念は「患者さんを家族のように愛する いい医療をより多くの患者さんへ」です。これまで当科では身体に優しく低侵襲治療とされる腹腔鏡手術の技術向上に努めてきました。手術件数が年々増加してきたのは、その取り組みが地域の方々に認めていただいてきているためと考えています。
大腸がんの治療の原則は明確で、「限局している病変は切除する」、これに尽きます。早期大腸がんに対しては大腸内視鏡下にメスで切除する治療(大腸ESD)を行います。また、そのままでは切除できない場合や、術後に再発した場合でも最近の抗がん剤の進歩により手術のチャンスが生まれます。当センターでは、早期がんから進行がん、さらに再発・転移したがんまで、つまりすべての大腸がんに最後まであきらめない治療を行います。令和元年に大腸癌研究会参加施設、日本大腸肛門病学会認定施設に承認されました。
胃がんはがんとしての性質が大腸がんと異なるため、治療の原則は「最初の手術ですべての病変が切除できる」ことが重要になります。早期がんについては内視鏡切除あるいは腹腔鏡手術の低侵襲治療を行い、進行がんも腹腔鏡で手術を行います。手術が難しい高度な進行がんでも、抗がん剤治療によって縮小させた後に手術を行えることがあります。
実質臓器である肝臓がんの手術には、胃がんや大腸がんとは異なった技術を要します。日本肝胆膵外科学会が認定した高度技能医が常勤しており、肝臓手術の件数も増加し、腹腔鏡下肝切除術も標準的に行えるようになりました。令和元年に腹腔鏡下肝切除術の施設基準認定施設に承認されました。
疾患ごとの詳細な治療については別項をご参照ください。
西和医療圏の基幹病院として、消化器内科、放射線科と麻酔科と緊密に連携を取り、緊急手術や他院で断られた困難な病気を受け入れる体制ができています。人口が増加している西和地区において、より良い高度な医療を提供できるよう、外科一同で頑張ってまいります。
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主な診療内容
悪性疾患
2022年は31.8%が悪性疾患手術(上部消化管領域32例、下部消化管領域60例、肝胆膵領域11例、その他領域23例)、腹腔鏡手術施行率は42.9%でした。2024年5月からはda Vinciによるロボット支援手術を開始しております。
術前化学療法、術後補助療法が必要な症例は化学療法室で、また切除不能再発癌や高度進行癌に対しては化学療法室あるいは入院での化学療法を積極的に行っており、その後に根治が期待できる場合にはサルベージ手術やコンバージョン手術も実施しております。Cancer Boardでよく検討し、諦めない治療が肝要と考えております。リハビリテーション部および緩和ケアチームとの連携体制の元で全例を対象に初診時から癌リハビリテーションを行っており、呼吸・嚥下・廃用防止に対する術前術後のケアも充実しております。
疾患ごとの治療詳細については西和医療センターのホームページをご参照ください。
良性疾患
2022年は68.2%が良性疾患手術(鼠径部ヘルニア85例、胆嚢疾患78例、虫垂炎28例、肛門疾患22例など)、腹腔鏡手術施行率は50.4%でした。単孔式腹腔鏡手術を導入してから10年以上が経過し、良性疾患への対象を基本として2022年は34例に行いました。
鼠径部ヘルニアに対しては径鼠径管法(クーゲル法やメッシュプラグ法)と腹腔鏡手術を行っております。虫垂炎は26例(92.9%)に対して腹腔鏡手術を実施し、胆嚢疾患に対しては76例(97.4%)で腹腔鏡手術を実施いたしました。肛門疾患(直腸脱、内痔核、裂肛、痔瘻など)では手術だけでなく内痔核硬化療法も数多く行い、2022年は11例に実施いたしました。食道裂孔ヘルニアや直腸脱などの高齢者に多くみられる組織逸脱疾患に対して腹腔鏡下修復手術も行っております。腹膜炎や腸閉塞などに対する緊急手術にも対応しております。
疾患ごとの治療詳細については西和医療センターのホームページをご参照ください。
![手術風景写真](https://seiwa-mc.jp/wp-content/uploads/2024/10/surgery-02-scaled.jpg)
診療実績
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悪性疾患 | 良性疾患 | |||
腹腔鏡手術 | 開腹手術 | 腹腔鏡手術 | 開腹手術 | |
2020年 | 110 例 | 58 例 | 202 例 | 41 例 |
2021年 | 78 例 | 48 例 | 153 例 | 46 例 |
2022年 | 54 例 | 60 例 | 136 例 | 45 例 |
上部 悪性疾患(32例) | 下部 悪性疾患(70例) | |||
腹腔鏡手術 | 開腹手術 | 腹腔鏡手術 | 開腹手術 | |
2022年 | 16 例 | 16 例 | 34 例 | 36 例 |
![外科診療実績](https://seiwa-mc.jp/wp-content/uploads/2024/11/surgery-medical-results-01.png)
診療部門
主な診療対象疾患
悪性疾患
食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肛門管癌、十二指腸癌、小腸癌、虫垂癌、肝臓癌(転移性を含む)、胆嚢癌、胆嚢腫瘍(ポリープを含む)、膵癌、膵腫瘍、GIST、悪性リンパ腫、カルチノイド、神経内分泌腫瘍、皮下腫瘍(生検目的)、腹腔内腫瘍(生検目的)など
手術が必要な消化管疾患
胆石症、胆嚢炎、虫垂炎、消化管穿孔(食道、胃、十二指腸、小腸、結腸、直腸)、腸管憩室炎、腸閉塞(内ヘルニアを含む)、消化管捻転、炎症性腸疾患、結腸腺腫症など
ヘルニア
鼠経ヘルニア、大腿ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、臍ヘルニア、食道裂孔ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、横隔膜ヘルニアなど
肛門疾患
痔核、痔瘻、裂肛、直腸脱、肛門腫瘍など
検査部門
下部消化管内視鏡検査
主な手術
悪性疾患
食道亜全摘術(胸腔鏡下)、幽門側胃切除術、胃全摘術、噴門側胃切除術、結腸切除術、直腸切除術、直腸切断術、大腸亜全摘術、人工肛門造設術、小腸部分切除術、肝部分切除術、膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除術など
良性疾患
虫垂切除術、鼠経ヘルニア手術(径鼠径管法、腹腔鏡手術)、胆嚢摘出術、腸閉塞手術、痔核手術(内痔核硬化療法、痔核切除術)など
施設認定
- 日本外科学会認定医制度修練施設
- 日本消化器外科学会専門医修練施設
- 日本がん治療認定医機構認定医研修施設
- 大腸癌研究会参加施設
- 日本大腸肛門病学会認定施設
- 日本胃癌学会認定施設B
スタッフ紹介
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石川 博文
医学博士
副院長
がん治療センター長
医療安全推進室長
専門分野
一般外科
ソケイヘルニア(クーゲル法)
消化器外科とくに骨盤内臓外科
内視鏡外科と肛門疾患
炎症性腸疾患、
進行/再発癌に対する診断と集学的治療
大腸早期癌に対する内視鏡的治療(ESD)
胃腸の運動機能
専門医
日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会指導医・専門医
日本がん治療認定医機構暫定教育医・認定医
日本大腸肛門病学会施設代表・評議員・指導医・専門医
日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
日本消化器がん外科治療認定医
英国消化器病学会 International member
大腸癌研究会施設代表
奈良県立医科大学 臨床教授
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上野 正闘
医学博士
部長
専門分野
消化器外科全般
上部消化管外科
腹腔鏡外科
専門医
日本外科学会専門医・指導医
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樫塚 久記
医学博士
副部長
専門分野
消化器外科全般
下部消化管外科
腹腔鏡外科
専門医
日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
手術支援ロボットダヴィンチ術者資格
検診マンモグラフィー読影認定医
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山戸 一郎
副部長
専門分野
消化器外科全般
肝・胆・膵外科
専門医
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医・評議員
日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会指導医・専門医
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構認定医
手術支援ロボットダヴィンチ術者資格
近畿外科学会 評議員
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科領域)
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村上 紘一
専攻医
専門分野
消化器外科全般
専門医
日本外科学会会員
日本消化器外科学会会員
日本臨床外科学会
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助川 正泰
医員
専門分野
消化器外科全般
専門医
日本外科学会会員
日本消化器外科学会会員
日本臨床外科学会
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吉﨑 萌木
専攻医
学会
日本外科学会会員
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