循環器内科からのお知らせ
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地域の先生方へ(診療科の特徴)
24時間×365日間の循環器救急(循環器ホットライン)
循環器内科では24時間365日、急性心筋梗塞や急性心不全などの循環器疾患を受け入れています。近隣の救急隊との勉強会も開催し、より迅速に循環器救急患者さんの受け入れを行っていけるよう体制の強化も図っています。急性心筋梗塞・狭心症などの冠動脈疾患では、これまで築いてきた技術で最高レベルのカテーテル治療を提供しています。急性心不全や慢性心不全の急性増悪・不整脈発作などの緊急症例も含めて、通常の救急外来とは別の西和医療センターの循環器ホットラインで受け付けております。ホットラインは一般公開しておらず、当センターホームページの登録医専用ページ内にてご案内しておりますのでご確認ください。
最新の心臓カテーテル室では、超低被爆かつ高精細な画像で血管内治療がより高レベルに
心臓カテーテル治療室には、ドイツ・シーメンス社製の最新の血管造影装置であるArtisQが導入され、世界で最も低いレベルの被曝線量で治療が提供できています。この装置は当院が国内で2番目の導入となるもので、低線量・高画質の血管造影像が得られるため、高度で精細な治療手技を必要とする患者さんでは、非常に大きな威力を発揮します。この心臓カテーテル治療室では、PCI等のカテーテルインターベンションおよびカテーテルアブレーション、さらに両心室ペースメーカ(心臓再同期療法)などの複雑な治療を要する手技を行っています。
もう一つの心臓カテーテル治療室にも最新のシーメンス社製血管造影装置を導入しました。3つめの血管造影室には、2025年1月、最新のドイツシーメンス社製2方向式血管造影装置を設置して、脳血管造影以外にもカテーテルアブレーションや下肢血管内治療室としても使用しています。4つめの血管造影室は、腫瘍などに対するIVRや大動脈ステントグラフトに使用しています。この4つの血管内治療室を駆使することによって、循環器内科・脳神経外科・放射線科・消化器内科・腎臓内科など様々な診療科が、いつでも緊急症例に対応できる体制を構築しています。また、このような最新の装置では、超低被爆で高精細画像を得ることができますので、患者さんにはカテーテルアブレーションも心臓カテーテル治療も安心して受けていただけると考えています。
主な診療内容
心臓・血管のインターベンション治療(PCIおよび血管内治療EVT)
急性冠症候群やそれ以外の狭心症・冠動脈疾患に対するカテーテルインターベンションは、西和医療センターの最も得意とする分野です。また、全身の動脈硬化性疾患(下肢閉塞性動脈硬化症、頸動脈狭窄、鎖骨下動脈狭窄、腎動脈狭窄など)に対しての血管内治療においても、ステントやステントグラフトなど最新の治療材料を用いた治療を行っています。また、左室流出路での圧較差がある肥大型閉塞性心筋症に対して、薬物抵抗性であれば、カテーテル治療(経皮的中隔心筋焼灼術:PTSMA)が有効な場合があります。肥大型心筋症や拡張型心筋症などが疑われる場合は、当科外来にご紹介ください。PCIチームは、鈴木副部長、御領医長の心血管インターベンション治療専門医を責任者として、鴨門医長(認定医)、岩井医長(認定医)、井上医員、山口医員が専攻医とともに24時間体制のカテーテル治療担当シフトを敷いています。
左手の橈骨動脈からのアプローチ、写真の術者と助手の医師以外に、スーパーバイザー医師、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師など6名のチームで治療を行っています
心房細動などの頻脈性不整脈治療(カテーテルアブレーション)
不整脈治療においても、カテーテルアブレーションにおいては、磁場・電気抵抗を用いて心臓の3D画像を構築し、カテーテル位置情報と心腔内電位を反映させる最新の3Dマッピングシステム (CARTO3 Ver7, EnSite X ver2)を導入しており、各システムは最新の状態にアップデートしております。X線透視画像を3Dマッピングシステムと合成させるCARTO® UNIVUを使用し、他院と比較しても圧倒的な低被曝量を実現しつつ、安全かつ精密な治療を提供しております。また、高周波による心筋焼灼術だけでなく、亜酸化窒素ガスを満たしたバルーンを用いて組織を冷凍凝固壊死させるクライオアブレーション (Cryoablation)も高い頻度で使用しております。不整脈専門医の藤本源医長を責任者とする不整脈チーム(藤本医長、大西医員、藤原医員)で症例毎に術前検討を行い、常に最適な治療を提供できるよう心がけております。心房細動をはじめ、様々な不整脈でカテーテルアブレーションによる根治を目指すことができますので、治療方針に迷われた場合は不整脈専門外来(月曜日の藤本医長または、水曜日の大西医員、木曜日の藤原医員の外来)までご紹介ください。
写真の術者と助手の医師以外に、全体を見守るスーパーバイザー医師や看護師、臨床工学技士、診療放射線技師など8名ほどでチームを組み治療を行っています
ペースメーカ植込み手術
徐脈性不整脈に対するペースメーカ治療においては、高い心室ペーシング率が心機能低下・心不全惹起・心房細動の新規発生につながることが懸念されてきました。近年、心房-心室間の同期性だけでなく、自己の刺激伝導系を直接刺激し、心室筋のより生理的な伝導様式を再現させる生理的ペーシング (「ヒス束ペーシング」や「左脚(領域)ペーシング」) が当たり前の治療になりつつあります。刺激伝導系・心室筋の状態から、全症例に適応があるわけではありませんが、「両心室ペーシング」予備軍などの心不全が危惧される症例へのメリットは大きいと考えて取り組んで参りました。このような最新のペーシング技術を提供できるように日々技術を磨いております。リードレスペースメーカの領域では、2017年近畿2府6県での最初期11施設(大阪大学などの大学病院7施設と国立循環器病研究センターなど基幹病院4施設)に奈良県で唯一選ばれ、他の医療機関に先駆けてリードレスペースメーカ手術の普及に努めてまいりました。徐拍性心房細動の高齢者や、認知症などでペースメーカを意識しない方がよい症例では、心内にカテーテルで挿入できる超小型のリードレスペースメーカは有用です。
うっ血性心不全治療
うっ血性心不全の治療は、急性期の集中治療期においても慢性期にも適切な薬物治療のさじ加減が重要です。さらに、従来の治療薬(ACE阻害薬/ARB、MRA、ベータ遮断薬などの基本的な薬物)のなかのACE阻害薬/ARBに代わってARNI(サクビトリル/バルサルタン)が登場し、加えてSGLT2阻害薬の効果も明らかになり、心不全治療の幅が大きくなっています。生活指導から薬物療法、さらに入院治療や機械的補助(心臓再同期療法:両心室ペースメーカによる左室同期不全の治療)まで、さまざまなレベルの心不全治療に対応できる体制を構築しております。先生方のクリニックで、心不全治療に迷われる場合、当科にご紹介いただくことで、よりよい心不全コントロールにつなげ、ご紹介いただいたときよりさらに安定した状態で先生方のもとに再び戻っていただけるように循環器内科医師一同努力を続けて参ります。また、2023年7月から、中村通孝集中治療専門医が常勤で赴任し、集中治療を専従で担当してもらう体制ができました。循環器内科医と集中治療医が力を合わせて、集中治療管理を行って参ります。
画像診断
当科で行う画像診断には、主に冠動脈の評価に用いる心臓CT、心筋の性状評価に優れた心臓MRI、心筋虚血などの評価を行う心筋シンチ、心機能や弁膜症の評価を行う心エコーなどがあります。岡山悟志循環器内科副部長(リハビリテーション科部長兼務)が中心となり、服部悟治医員が画像診断を担当しています。本年からは心臓CTで冠動脈の虚血評価を行うことができるFFRCTを導入し、より一層充実した循環器診断を行ってまいります。これらの画像診断につきましては、心臓CT(FFRCTは除く)、心臓MRI、心筋シンチ、心エコーについては地域連携室または放射線科受付からの予約が可能になっています。当科医師が所見を行い、返信させていただきますのでどうぞご活用ください。また、2023年4月から、日本超音波医学会の副理事長をされている平井都始子先生(前奈良県立医科大学病院教授)が当院の総合画像診断スーパーバイザーとして赴任してもらっています。あらゆる超音波診断の若手医師・若手検査技師を育成するために、日々教育に尽力いただいています。奈良県西和医療センターの画像診断力が日々向上し、もっともっと先生方の患者さんのお役に立てることを目標に、職員一同がんばっております。
私たち循環器内科スタッフは、近畿を代表する循環器疾患のハイボリュームセンターを目指し、最高の技術で一歩先の治療を実践するために努力して参りました。また、カテーテルアブレーションやカテーテルインターベンションは、内科領域の治療ですが、一定のリスクを有する手術です。医療安全にはこれまで以上に一層の努力を続け、すべての患者さんに安心で安全かつ質の高い医療技術を提供できる体制を築いて参ります。緊急を要する症例は循環器ホットライン(登録医専用ページにて案内)までご連絡ください。
診療実績
更新日
2023年6月1日
診療部門
主な診療対象疾患
虚血性心疾患、不整脈、心不全、心筋症、心臓弁膜症、末梢動脈疾患など循環器疾患全域
施設認定
- 日本内科学会教育施設
- 日本循環器学会研修施設
- 心血管インターベーション治療学会認定研修施設
- 不整脈心電学会認定施設
- 高血圧学会認定研修施設
- 超音波医学会認定施設
スタッフ紹介
土肥 直文
院長
循環器内科部長
集学的循環器病治療センター長
救急科部長
臨床工学技術部部長
専門分野
循環器内科領域全般
心臓・頸動脈・末梢血管カテーテル治療
デバイス植込み手術
肥大型心筋症カテーテル治療
専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本内科学会認定内科医・同評議員
日本循環器学会循環器認定専門医・同代議員・近畿支部評議員
日本心血管インターベンション治療学会名誉専門医・認定医・施設代表医・近畿地区運営委員
日本救急医学会救急科専門医
日本高血圧学会高血圧指導医・高血圧専門医
植込み型除細動器・心不全に対するペーシング治療研修修了
日本心臓病学会会員
日本脳卒中学会会員
ICD/CRT資格
奈良県立医科大学臨床教授
岡山 悟志
副部長
専門分野
心不全
心筋症(肥大型心筋症,拡張型心筋症、アミロイドーシス、ファブリー病、サルコイドーシス)
脂質異常症(家族性高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性高トリグリセライド血症、原発性高カイロミクロン血症)
循環器画像診断(心臓CT、心臓MRI、心臓核医学検査、心臓超音波検査)
心臓リハビリテーション、スポーツ医学
専門医
日本内科学会総合内科専門医、近畿支部評議員、JMECCディレクター
日本循環器学会専門医と近畿支部評議員
日本心臓リハビリテーション学会指導士
日本心臓病学会FJCC
日本心不全学会代議員
日本動脈硬化学会専門医,指導医,評議員
日本脈管学会専門医
日本老年医学会専門医と指導医
日本腎臓学会専門医と指導医
日本超音波医学会専門医と指導医
日本核医学会核医学専門医とPET専門医
日本救急医学会、ICLS WSディレクター
DMAT隊員、災害医療コーディネーター
教育活動
奈良県立医科大学 循環器内科学講座 臨床教授
奈良県立医科大学 統合臨床講義「加齢と老化」
鈴木 恵
副部長
専門分野
循環器疾患すべて
心血管インターベンション治療
心臓超音波診断
閉塞性肥大型心筋症に対するカテーテル治療
末梢血管インターベンション治療(頸動脈、鎖骨下動脈、腎動脈、下肢動脈等)
専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会専門医・近畿支部評議員
日本心血管インターベンション治療学会専門医
植込み型除細動器研修証取得
心不全に対するペーシング治療研修証取得
藤本 源
医長
専門分野
不整脈、カテーテルアブレーション治療、植込み型デバイス手術
専門医
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会会員、日本不整脈学会専門医、植込み型除細動器研修証取得、心不全に対するペーシング治療研修証取得
御領 豊
医長
専門分野
循環器疾患すべて
心血管インターベンション治療
専門医
日本内科学会内科認定医・総合内科専門医
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医
鴨門 大輔
医長
専門分野
循環器疾患すべて
心血管インターベンション治療
専門医
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本循環器学会循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
岩井 篤史
医長
専門分野
循環器内科全般 および救急医学
心血管インターベンション治療
末梢血管インターベンション治療
シャントPTA
専門医
日本内科学会認定内科医
日本循環器学会専門医
服部 悟治
医員
専門分野
循環器内科全般
内科全般 および救急医学
循環器画像診断
核医学
心血管インターベンション治療
集中治療医学
専門医
日本内科学会認定内科医
日本循環器内科学会認定循環器専門医
藤原 遼
医員
専門分野
内科全般 および救急医学全般
循環器内科全般
心血管インターベンション治療
不整脈
カテーテルアブレーション治療
デバイス植込み手術
専門医
日本内科学会会員
日本循環器学会会員
日本心血管インターベンション学会会員
大西 里奈
医員
専門分野
内科全般 および救急医学全般
不整脈
カテーテルアブレーション治療
デバイス植込み手術
心血管カテーテルインターベンション治療
専門医
日本専門医機構認定内科専門医
日本不整脈学会会員
日本循環器学会会員
日本心血管インターベンション学会会員
山口 徹
医員
専門分野
内科全般および救急医学全般
循環器内科全般
心血管インターベンション治療
デバイス植込み手術
専門医
日本内科学会会員
日本循環器学会会員
日本心血管インターベンション学会会員
近藤 優実
医員
専門分野
循環器内科全般
内科全般および救急医学全般
不整脈
カテーテルアブレーション治療
デバイス植込み手術
心血管インターベンション治療
専門医
日本内科学会会員
日本循環器学会会員
日本心不全学会会員
日本不整脈心電学会会員
日本心血管インターベンション学会会員
井上 智仁
医員
専門分野
内科全般および救急医学全般
循環器内科全般
心血管インターベンション治療
デバイス植込み手術
専門医
日本内科学会会員
日本循環器学会会員
日本心血管インターベンション学会会員
谷口 洋樹
専攻医
専門分野
循環器内科全般
総合内科全般および救急医学
専門医
日本内科学会会員
日本循環器学会会員
山﨑 南映
専攻医
専門分野
循環器内科全般
総合内科全般および救急医学
専門医
日本内科学会会員
日本循環器学会会員