このような症状の方へ
このような症状があれば受診をお勧めします。
■ 急に聞こえにくくなった。声が響いて聞こえる
突発性難聴の可能性があり、難聴の程度によっては、難聴を自覚せず、耳閉感(耳のつまった感じ)や自声強聴(ひびく感じ)として感じる場合があります。診断には、聴力検査が必須で、突発性難聴と診断された場合には、早急な診断と治療が必要です。
■ 片方の耳の聞こえが徐々に悪くなり、耳鳴りもしてきた
加齢による変化や慢性中耳炎が挙げられますが、場合によっては上咽頭(鼻の奥)の腫瘍が原因のこともあります。まれにMRIやCT検査で聴神経腫瘍が見つかることがあります。
■ めまい、ふらつきがある
原因はさまざまで、末梢性(メニエル病、良性発作性頭位変換性めまい、前庭神経炎 など)や中枢性(腫瘍、ワレンベルグ症候群、頸性めまい など)、脳幹、小脳病変(血行障害、椎骨脳底動脈循環不全 など)、血圧異常(起立性低血圧、迷走神経反射、心血管疾患 など)などが挙げられ、必ず内耳に異常があるとは限りません。頭部の画像診断(CT,MRI)や平行機能検査などが検査として挙げられ、その原因に応じた治療を検討することになります。
■ 声がかすれる(嗄声)
原因として、第一に喉頭炎、声帯ポリープ、喉頭癌(特に声門癌)などの声帯自体の疾患が挙げられますが、その他に、甲状腺癌、下咽頭癌、更には食道癌、肺癌などの悪性腫瘍による反回神経(声帯支配)への浸潤(声帯麻痺)を来し、その結果、声がかすれた症状となることもあります。診断には、咽喉頭内視鏡検査による確認やCT,MRI検査による画像診断が有効となり、各疾患に応じた治療が選択されます。
■ のどの違和感、飲み込むときの痛みやつまった感じがある
のどの乾燥やアレルギー、肩こり、逆流性食道炎、さらには咽頭癌、下咽頭・頸部食道癌などが原因となることもあります。これらの診断には、咽喉頭内視鏡検査が有効な場合があります。
■ いびきがひどい、睡眠時の無呼吸がある
肥満が原因となることが多いですが、鼻やのどの形態異常(扁桃肥大など)による閉塞性障害や、中枢神経性や気管支・肺性の非閉塞性障害によることが原因となっていることもあります。診断のためには、咽頭内視鏡検査や睡眠中のモニタリングが有効な場合があります。
■ くびが腫れた
頸部(首)が腫れる原因としては様々なものが挙げられます。感染・炎症・リンパ節炎(細菌性、ウィルス性、結核性など)、のう胞などの良性疾患、甲状腺や唾液腺(耳下腺、顎下腺)疾患、その他に癌の頸部リンパ節転移が原因となっている場合もあります。これらの診断には、触診、視診、超音波(エコー)検査、CTやMRI検査による画像診断、膨張部の針穿刺による細菌検査や細胞診が有効となり、確定診断の上、治療法を選択します。
主な診療疾患
- 耳科領域の疾患
- 急性・慢性中耳炎、外耳炎、感音・伝音難聴、耳鳴り、めまい、先天性耳ろう孔 など
- 鼻科領域の疾患
- 鼻出血、鼻アレルギー、鼻炎、鼻茸・副鼻腔炎(ちくのう)、頬部のう胞、鼻中隔湾曲症、鼻骨骨折、嗅覚障害、鼻・副鼻腔腫瘍 など
- 口腔領域の疾患
- 口内炎、唾石、味覚障害、舌腫瘍 など
- 咽喉科領域の疾患
- 声帯ポリープ、扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、アデノイド、咽喉頭炎 など
- 頚部の疾患
- 正中頸のう胞、側頚のう胞、亜急性壊死性リンパ節炎、頭頸部腫瘍(甲状腺、耳下腺、顎下腺腫瘍) など
- その他の疾患
- 顔面神経麻痺 など
主な耳鼻咽喉科領域の検査
- 咽喉頭電子内視鏡検査
- 聴力検査、聴性脳幹反応(ABR)
- めまい・平衡機能検査
- 鼻汁アレルギー検査
- 睡眠時無呼吸検査
- 唾液腺造影検査
- 頸部超音波(エコー)検査
- 口腔・咽頭の擦過細胞診
- 頸部腫瘤に対する穿刺細胞診(必要に応じて超音波ガイド下) など
主な手術
- 鼓膜切開術、鼓膜チューブ留置術(急性中耳炎、滲出性中耳炎 など)
- 内視鏡下鼻・副鼻腔手術(ESS)(慢性副鼻腔炎、鼻腔良性腫瘍 など)
- 副鼻腔根本術(内視鏡下手術で対応困難な疾患)
- 下鼻甲介切除術、鼻中隔矯正術(肥厚性鼻炎、鼻中隔湾曲症などの鼻閉改善)
- 口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術(慢性扁桃炎、アデノイド肥大)
- 喉頭微細手術(声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯)
- 頭頸部外科領域の手術(甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍 など)
身体障害者認定
- 難聴 2,3,4,6級