看護部 
-先輩看護師より-

患者や家族の立場にたつことを大切にして

南3階病棟 樋口 菜津子

 

私も皆さんと同じように去年の4月に入職して、1年が経ちました。入職当初は緊張と不安でいっぱいでしたが、だんだん病棟に慣れ、自分のことだけでなく患者さんや家族との関わりにも目を向けることが出来るようになってきました。今回はこの1年を振り返って学んだことをお話しします。
私のいる南3階病棟は小児科病棟です。生まれてから間もない赤ちゃんから15歳くらいまで、さまざまな年齢の子ども達が入院してきます。なので、年齢や発達段階に合わせた接し方が必要になってきます。小学生以上になってくると、ケアや処置の必要性を理解し、嫌がらずに頑張れる子たちが多いですが、小さい子たちはケアや処置の必要性を理解するのは難しく嫌がることが多いです。ですので、必ず採血などをする前には今からすることを説明し、処置中は声掛けを必ず行い、できるだけ気がそれるようにして、苦痛に感じる時間が少なくなるように心がけています。また、なかなか勇気が出ない子もいるので、その子たちにはご褒美シールを用意したり、大事にしているおもちゃや人形を一緒に連れて行ったりするなどして子どもたちが頑張れるように関わっています。
また、呼吸器感染症で入院してくる子たちは小さい子ほど、自分で鼻汁を出すことができないので吸引が必要になってきます。しかし、吸引は鼻腔の奥までカテーテルを入れるので苦痛を伴います。また、動くと危ないのでお母さんに嫌がる児を固定してもらって行うので、子どもだけでなく、お母さんにもつらい思いをさせてしまうこともあります。実際に吸引を行う際に嫌がって涙を流している児を見ると、もういいかなと思ってしまうこともあるのですが、今吸引をしっかりしないとしんどい思いをするのはその子なので、「ごめんね、これで終わるからね、もうちょっとだけがんばってね」と言いながら、できるだけ手早く済ませられるように心がけています。早く元気になってもらえるように、嫌がる児に対して処置を行わなければない時もありますが、子ども達が笑顔で元気に退院していく姿を見たり、時には子ども達やお母さんから、「入院中はありがとうございました」と書かれた手紙をもらったりすると、あの時頑張って関わってよかったと思えることが多くあります。
入院中は子どもだけでなく、付き添いの方も看護の対象です。小学生以下の子であれば、ずっと付き添っていなければならず、また、入院する子はしんどかったりして機嫌が悪いことが多くあります。そのため、負担も大きくなり、また、児が大丈夫なのかという不安や、きょうだいがいる場合はその子をだれが見るのか、仕事は大丈夫なのかなどの心配事が重なり、疲弊してしまう方もいます。なので、看護師で手伝えることは手伝い、不安や心配ごとがあれば傾聴し、病気のことであれば主治医にもう一度説明してもらう機会を作り、入院中の不安を少しでも取り除けるように関わっています。
子どもは大人と違い、痛みやつらさを明確に表現することは難しく、泣いたり、機嫌が悪くなったりするなどして表現します。なので、少しでも、様子がおかしいと感じたら付き添いの方となぜなのかを考えて、児が伝えようとしていることをくみ取ってあげることが、入院生活を安全安楽に過ごすことにつながります。私は、入院生活が児にとって少しでも苦痛なく過ごせるよう、毎日どうすればいいか考えながら関わっています。忙しくなると児のペースより看護師のペースで進めがちになってしまうこともありますが、そんな時こそできるだけ児の立場に立って考えることを忘れずに関わるようにしています。また、そのことが個別性に合わせた看護につながったり、入院中の苦痛の軽減にもつながったりするので、そのことを大切にして今後も頑張っていきたいと思います。皆さんも初めは慣れるまで大変だと思いますが、患者さんとの関わりを大切に、一緒に頑張っていきましょう。

 

患者 家族 同僚 先輩に支えられて

北4階病棟 三木 鈴香

 

皆さん、ご入職おめでとうございます。皆さん、今はこの先看護師としてしっかりと働いていけるのか、所属される病棟でうまくやっていけるかなどの不安と緊張の気持ちでいっぱいなのではないかと思います。私も一年前はみんなさんと同じ気持ちを抱きながら先輩看護師のお話を聞いていたので懐かしく感じます。
私が、所属している北4階病棟は総合内科なので、様々な疾患の患者さんが入院してこられます。それに加え、重症な患者様を受け持つチームで働いているのでこの1年間日々の学びが多くやりがいがある一面、帰ってから勉強しなければならないことが多くて正直言うと大変でした。患者様が急変することも多く、急変時の対応がしっかりとできない度に自分に看護師は向いてないのではないかと自信がなくなり、辛い思いを何度もしたことがあります。しかし、そんな時に支えてくれたのが家族・同期・そしてプリセプターを中心とした先輩看護師の方々です。
看護師として独り立ちをし始め、重症部屋の患者様を受け持つようになってから死に直面する場面があり、どのように行動すればよかったのか、自分にもっとできることがあったのではないかと悩み、辛い思いをしていた時があります。そんな時に声をかけてくれたのが同じチームの先輩でした。私の話を聞いた後、先輩はいつも一生懸命やし、頑張っていること知っているよと言って下さりました。また同期の子たちもご飯食べに行こうと誘ってくれ、その時にお互いの悩みを話し合いました。話すことで同じような悩みを抱えているんだ、私だけじゃないんだと思え、この1年間頑張ることができました。
私が皆さんに伝えたいことは、同期という存在を大切にしてほしいということと、分からないことは分からないと伝え、先輩看護師に教わったり頼ってほしいということ、そして休みの日は思いっきり楽しんでリフレッシュしてほしいということです。先輩に話しかけることに対して初めは緊張すると思いますが、勇気を出して自分の思いや教えてもらいたいことを言葉にしてほしいと思います。辛い時は無理をし過ぎず、自分のペースでまずは1年一緒に頑張っていきましょう。

 

亡くなった患者さんから学んだ「経験を次につなげる」こと

南6階病棟 城野 友梨子

 

私は入職した時は外科チームでしたが、現在は外科・重症チームで勤務しています。ご入職おめでとうございます。私がこの1年を通して心に残っている患者さんとそこから学んだことをお話させて頂きたいと思います。
その患者さん(A氏)は、胃がんのため手術をされました。術後経過は問題なく食事も開始になっていましたが、ADLは入院前より低下しており1人でトイレに行くことも出来ませんでした。また、胃切後食はほとんど摂取できていない状態でした。主治医からは数日で退院できますよと家族に伝えられていました。私は、この状態で退院したとしても家族も大変だし不安で仕方ないのではないかとずっと思っていました。そんな中、亡くなられる前日夜の20時ごろにトイレに行こうとしたA氏はベッドから転落されました。カーテンの下から頭だけをだしておられ、声かけに対して反応はなくただ一点だけを見つめながら「トイレ…トイレ…」と訴えられていました。血圧は70台に低下しており、オムツの中を見ると少量ではありましたが出血がみられました。私はその時、A氏に何が起こっているのかわかりませんでした。私はすぐに指導担当の先輩に報告しました。その後、主治医にあったことを電話にて報告し、一旦様子観察でとのことでバイタルや状態の変化に注意し観察していました。明け方になるとバイタルサインも安定し、A氏とも会話ができるようになりました。夜間のことを聞くと「覚えてないそんなことがあったんですか?」とびっくりしながらも笑顔で話されるA氏の表情を見て先輩とも一安心していました。しかし数時間後、急にモニターのアラームが鳴り駆け付けると意識がなくすぐに蘇生を行いました。蘇生を1時間程行いましたが、A氏は亡くなられてしまいました。
学生の頃から病院で治療を行ったとしても患者さんが亡くなられることはあると理解していたつもりでしたが、このような状況を初めて目の前にし、私はなかなか立ち直れませんでした。普段から気にかけていた患者さんでしたが、異変に気付くことができず、当時はひどく落ち込みました。私がA氏からの経験を通して感じたこと、それは患者さんに適切な治療が受けることができる、看護できるようにもっと知識や経験を増やしたいと思いました。私達は、経験したことを次の患者さんにつなげることができます。ですが患者さんには次はありません。1つのミスから患者さんが危険にさらされることもあると思います。患者の細かい変化にも気づくことができるように日々学びを深めながら、患者一人一人にあった治療・看護を受けることができるように関わっていきたいと思いました。
各病棟では、プリセプターという方がおられみなさんの指導をして下さります。わからないことや困ったことはこれからたくさん出てくると思います。私もそうでした。1人で悩みわからないままにするのではなく、プリセプターや先輩に相談すると丁寧に優しく教えて下さります。特にプリセプターの方は、親身になって相談にものってくださり私も勉強面や精神面でもたくさん助けて頂きました。日々の学習については1つでも多くのことが学べるように経験を交えながら指導をして下さります。これからしんどいことや辛いことが色々あると思います。私も、毎日が不安と疑問でいっぱいで落ち込んでは前も向いての繰り返しで今日まできました。そんな中でも同期とは、悩みを相談したり励まし合いながら乗り越えてこられたと思います。また、患者さんの笑顔はやりがいを感じ私の原動力にもなっています。始めの頃は、色々と大変だと思います。私達と一緒に頑張りましょう。

 

看護師の一日

奈良県西和医療センターでは多くの看護師が働いています。今回は手術室で働く2年目の看護師を追いかけてみました。手術室での業務とともにご紹介しましょう。

 

8:30 出勤

朝のカンファレンスで全体の伝達を聞きます。今日介助につく手術の確認・患者様の情報収集を行います。介助につく患者様の入室は9:30予定。しっかり手洗いをして、手術の準備をします。
慣れた手つきでガウンテクニックを行い患者さんが入室するまでに手術の準備をします。

 

病棟から手術室への申し送りを受けます。前日の患者訪問以降の情報をきちんと収集し、安全な手術をサポートします。

 

準備が終わればさあ手術が始まります。緊張する時間が始まります。

 

手術中は命を預かる緊張の時間です。しかし、やりがいを感じる時間でもあります。手術が患者様の回復へのお手伝いとなっていると思えば、長時間の手術でもなんのその。

 

担当の手術が終わったら・・・
術前・術後訪問に出発です。継続看護を目指して訪問しています。

 

手術室のスタッフです。みんなで活き活き仲良く頑張っています。病棟や外来とも協力し、患者さま一人一人の状態を理解して、手術を安全で円滑に行えるようにがんばっています。

 

尾崎 千幸

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