心臓の病気

虚血性心疾患

■ 狭心症

心臓は大きく右冠動脈、左冠動脈(左前下行枝と左回旋枝)により養われています。高血圧症、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満などの動脈硬化の原因となる要因をもたれている方は、冠動脈も同様に動脈硬化がすすみます。冠動脈の硬化が進むと冠動脈の血流が減少し、労作時などに胸痛や胸部圧迫感などの症状を認めるようになります。また病気がさらに進行するとじっとしていても胸痛や胸部圧迫感を感じるようになります。この状態は不安定狭心症といい、急性心筋梗塞に移行しやすく非常に危険な状態です。そのため放っておくと命に関わる非常に重篤な疾患です。

 

■ 心筋梗塞

症状の多くは改善しない胸痛です。狭心症と同じく冠動脈の病気ですが、大きな違いは狭心症は冠動脈の血流が減少するのに対して、急性心筋梗塞は冠動脈が閉塞し、冠動脈の血流が完全に途絶えることです。そのため閉塞血管の潅流域の心筋壊死が生じ、心室細動などの不整脈が生じ、突然死の原因になります。また仮に不整脈を認めなくても、心筋壊死のために心臓があまり動かなくなり将来心不全になります。

 

 

心筋症

■ 肥大型心筋症

遺伝的疾患といわれています。左室心筋が非対照的に異常に肥大する病気です。
そのため肥大部位によっては左室流出路が狭窄し、左室内圧と大動脈圧の間で大きな差を認めることがあります。
これを閉塞性肥大型心筋症といいます(一方、圧較差を認めないものを非閉塞性肥大型心筋症といいます)。
非閉塞性肥大型心筋症の患者さんは比較的症状に乏しく予後は良好な疾患ですが、不整脈などが原因で突然死を来すことがあります。

 

閉塞性肥大型心筋症の患者さんは左室流出路狭窄のために労作時などに胸痛、呼吸困難感など、狭心症とよく似た症状を認め、突然死の原因になることがあります。
拡張型心筋症原因はわかっていませんが、心臓の筋肉、とくに左室の筋肉が菲薄化し、収縮力が低下する病気です。そのため心不全になりやすくなります。また不整脈も生じやすく突然死の原因となることがあります。


 

■ 心臓弁膜症

全身の血液はまず心臓の右房というところに還流します。
右房にたまった血液は三尖弁を通って右心室に入ります。
その後肺動脈弁を通過し肺を通った血液は心臓の左房に帰ってきます。左房にたまった血液は僧帽弁をとおり左室に充満し大動脈弁を通過し全身に血液が流れます。成人の心臓弁膜症で問題になる多くは僧帽弁と大動脈弁です。
動脈硬化が強くなると弁の石灰化が生じ弁狭窄症や閉鎖不全症などが生じてきます。
程度が軽いうちは生活習慣、薬物療法などの保存的療法で経過がみられることがありますが、病気が進むと心不全、不整脈、めまい、最悪、突然死の原因になることがあります。病気の進行した弁膜症は手術しか治療はありません。
当センターでは心臓血管外科と連携し、患者さんに最良の医療を提供しています。

 

 

不整脈

■ 徐脈性不整脈

脈拍が30回/分などになったことはありませんか?
ふらつき、めまいを認めたことはありませんか?
脈拍が非常にゆっくりになると、十分な脳血流を維持出来なくなりめまい、ふらつき、時には意識を失うことがあります。
またそれだけではなく全身に水がたまる心不全という病気になります。
脈拍が遅くなる原因にはいくつかありますが全てが病気と限りません。
現在病気といわれている徐脈性不整脈には洞不全症候群、房室ブロックがあります。

 

■ 頻脈性不整脈

脈拍が早くなることを頻脈といいます。
運動時には脈拍が早くなりますが、それ自体は病気ではありません。
生体の正常な反応です。では病的な頻脈とはどのようなものでしょう。運動もしていないのに突然脈拍が早くなったり、脈拍が早くなることでめまい、ふらつき、心不全などの症状をきたすものをいいます。
心臓は心房(上室)と心室の2つに大きく分かれます。頻脈性不整脈には上室性頻脈と心室性頻脈があります。上室性頻脈には心房細動、発作性上室性頻拍などがあり、動悸、ふらつき、ひどくなりと心不全に至ります。次に心室性頻脈ですが、心室性頻脈には心室頻拍、心室細動があります。上室性頻脈と同じく心室が頻脈になる病気ですが、大きな違いは上室性頻脈で命に関わることが少ないことに対して、心室性頻脈は命に関わる疾患であるということです。心臓突然死の原因の多くがこの不整脈によるものです。原因として心筋梗塞、心筋症、外傷などがありますが、なかには遺伝的疾患、原因不明のものまであります。

 

 

心不全

心臓はポンプの働きをしています。
全身から還流した血液を心臓に充満し、それを再度全身に送る働きをしています。
心不全とは心筋梗塞、心筋症などが原因で心臓がポンプとしての力がなくなり、全身に血液のうっ滞を認める病態です。
症状の軽いうちは、労作時の呼吸困難を感じる程度ですが、重篤になると全身がむくみ、息が出来なくなります。

診療受付のご案内

TEL 0745-32-0505

■ 診療受付日

曜日~曜日

(土曜日,日曜日,祝祭日,年末年始)

■ 受付時間

午前830
 午前1100