機構が母体だからこそ、幅広い未来が描ける

専門分野を極めるスペシャリストや幅広く活躍するジェネラリスト、看護師をまとめるマネジメント。それ以外にも、看護教員や実習指導者。奈良県立病院機構に属する当センターだからこそ、看護師として様々な選択肢からあなたに合ったキャリアを選ぶことができます。

幅広く活躍するジェネラリスト

特定の診療科や領域にとらわれることなく、様々な部署を経験し、幅広い知識と技術を活かして看護を展開できるオールラウンダーな看護師です。

専門分野を極めるスペシャリスト

認定看護師

認定看護師は、高度化し専門分化が進む医療の現場において水準の高い看護を実践できると認められた看護師です。

専門看護師

水準の高い看護を効率よく行うための技術と知識を深め、卓越した看護を実践できると認められた看護師です。

特定行為実践看護師

「看護師が医師の作成した手順書により特定行為をおこなう場合に、特に必要とされる実践的な理解力、思考力および判断力並びに高度かつ専門的な知識および技能の向上を図るための研修」を修了した看護師で、今後の医療を支える者として、そしてニーズが高まる在宅医療で活躍できる看護師として期待されています。

診療看護師(NP)

看護師としての経験に加え、医学的な知識も備えた、特定の医療行為を実践できる看護師です。まだ全国に約700人しか資格取得者はいませんが、医師から他職種へのタスク・シフト/シェアや、診療の質向上において注目されている職種です。

( 組織の目標達成に向けて) 人を育て、組織運営するマネジメント

管理能力を高めて看護部長や看護師長などを目指すキャリアです。責任のあるポジションを任されることで仕事の幅も広がり、部下の教育など、多様な経験を積むことが可能です。

教育と現場を携える看護教員

教育手法を学び、奈良県立病院機構の「奈良看護大学校」の教員として、看護学生や職員の指導を行うことができるキャリアです。

成長を支える、環境を整える実習指導者

実習指導者は、大学や看護専門学校など看護学生が病院で行う実習の中で、主に病棟での学生の学びを充実させるという大きな役割を担っています。日々の指導や学習環境の調整、受け持ち患者さんの看護についての指導など、未来に一緒に働ける日を想像しながら、臨地での学びを支えています。また、日々の部署での指導的立場として、新人や後輩の育成に尽力しています。

なりたい看護師像が「見つかる」

急性期・慢性期・回復期、症状別のあらゆるステージでの経験を積めるから、専門的に学びたい分野の発見や、将来目指したい看護師像が見つかりやすい

西和医療センターを含む、奈良県立病院機構では所属する3つの病院間のローテーションを行います。
高度急性期から回復期、さらに在宅まで、症状別のステージにより異なる看護をそれぞれ深く学ぶことができます。ステージや分野ごとで専門的に学べる環境は、将来目指したい看護師像を形成しやすく、これから続く看護人生を充実させます。

なりたい看護師像を「叶える」

一人ひとりの看護師人生を支える、クリニカル・ラダー制

スペシャリストへの道

診療、認定、専門、特定行為看護師や助産師、看護教員など、看護師のキャリアは多岐に渡り、一人ひとりのキャリアビジョンに応じて、そのすべての可能性をサポートします。
また、資格取得のための進学の際は、仕事を休みながら通学できる休業制度や、学費の一部補助などの支援制度も整っています。

「医療専門職教育研修センター」で全職員のキャリアアップを支援

奈良県総合医療センターに併設された「医療専門職教育研修センター」では、医師・看護師・薬剤師・各種技師など国家資格を持つ医療者に加え、事務系も含めた多職種の卒後~生涯教育を行っています。2021年度より開始した「看護師の特定行為研修」では、2 1 区分全ての科目を履修できる環境を整え、機構内各センターの看護師を育成しています。

スペシャリストとして活躍する先輩看護師の紹介

老人介護専門看護師U・Mさん

高齢者のQOL向上を目指して…。

Q1.なぜ認定、専門の道に至ったのか?
入職したころから高齢の方の看護ケアに携わることが多く、看護ケアの方法や家族の人との関わり方で自分の勉強不足を感じていたので、もう一度勉強したいと思いました。
Q2.現在の活動は?
高齢者の方の看護や認知症、せん妄の方のケアについて、病棟の看護師、
看護倫理委員会のメンバー、多職種とともに取り組んでいます。
Q3.長期研修時の苦労したことや、職場での協力は?
自分が考えている以上に課題やプレゼンテーションが多く苦労しました。
研究も難しく先生に教えていただき何度も修正して完成しました。
職場では、勤務調整をお願いし協力してもらいました。他にも上司や同僚に相談にのってもらい支えていただきました。

摂食嚥下障害看護認定看護師C・Tさん

専門知識を深める、患者様の「食べたい」やご家族の「食べさせてあげたい」の希望を叶えるために。

Q1.なぜ認定、専門の道に至ったのか?
当時の自分の摂食嚥下障害看護についての知識では、経口摂取が難しいと判断した患者からの「飲みたい」や「食べたい」といった希望を安全に実践することが難しいと実感したためです。患者さんの希望を叶えるために、この分野について、わからないことを突き止めていろいろと勉強をし、知識を深めていく必要があると感じました。
Q2.現在の活動は?
摂食嚥下障害のある患者さんに対して、まずは、口腔内の環境を整えることから初めています。
入院時に口腔や嚥下機能を多角的に評価し、必要に応じて歯科医と連携するなど口腔内の問題に対して早期に取り組んでいます。
経口摂取への支援では、適切な食事形態の選択や食事の姿勢について他職種と検討するなどの介入をしています。
Q3.長期研修時の苦労したことや、職場での協力は?
コロナ禍での受講であったためオンライン形式に慣れることに苦労しました。
画面越しのグループワークなどもではお互いの意見が上手く伝わらないこともあり苦労しました。研修時は勤務も考慮していただけました。

特定行為実践看護師T・Iさん

看護師の能力は看護の質に大きく響く。だから能力を高め続ける。

Q1.なぜ認定、専門の道に至ったのか?
集中治療室に所属になり、看護師の能力によって患者さんの状態が左右されるのではないかと思うようになりました。特定行為研修に参加し、より良い看護や診療につなげることができるようになりたいと思い受講を決めました。
Q2.現在の活動は?
集中治療室で主に手術後の患者さんに対して・動脈点滴の挿入・動脈からの採血・血糖値の調整・人工呼吸器の調整などを行っています。
また、院内の患者さんについて他病棟の看護スタッフから相談を受けたり、教育的なサポートを行っています。
Q3.長期研修時の苦労したことや、職場での協力は?
医学の知識を深く学ぶことは大変でしたが研修中は多くの学びがあり充実した期間でした。
実習では新しい技術を特定行為(診療の補助)につなげていくことが難しかったです。
また、仕事と家庭との両立も苦労しました。しかし、研修中は職場のスタッフに協力してもらい、周囲の支えと新しいことを学べる楽しさを感じながら修了することができました。

がん看護専門看護師A・Yさん

その人らしい療養生活を、追求し寄り添い支える看護師へ。

Q1.なぜ認定、専門の道に至ったのか?
外科の終末期のがん患者さんが「今日も生きていてよかった」と穏やかな表情で話された一言が、心に深く残りました。その言葉の背景にある思いや生きる意味を考える中で、「人が生きること・死を迎えること」に看護師としてどう寄り添えるのかを深く追求したいと感じるようになりました。
ちょうど自分のキャリアに悩んでいた時期に上司からの励ましと後押しを受け、がん看護専門看護師の大学院への進学を決意しました。
Q2.現在の活動は?
専従の緩和ケア看護師として、在宅療養の調整支援を組織横断的に行っています。
また、がんの告知・再発時の心理的サポートや倫理的課題に対する支援にも積極的に関わり、「患者さんの変化に気づき、声をかける」ことを大切にし、「何を大切に生きていきたいのか」を対話を通じて理解し、その人らしい療養生活を地域と医療現場が一体となって支える継続的な看護の実践を目指しています。
Q3.長期研修時の苦労したことや、職場での協力は?
大学院在学中は、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業が中心となり、仲間との交流も限られる中での慣れない学びに戸惑いました。授業では根拠に基づいた実践に、実習では複雑な事例に向き合うことに難しさを感じました。
困難な中にも、がん看護を深く追求し、看護の本質を考え続けることに楽しさとやりがいを感じていました。多忙な現場の中、職場の理解と協力、家族や仲間の支えがあったからこそ無事に修了し、資格を取得できたことに感謝しています。