院長ごあいさつ

春爛漫の季節を迎え、先生方におかれましては、ご健勝のこととお慶び申し上げます。
当センターの敷地にあります、今まさに満開を迎えんばかりの桜の木々も建物を鮮やかに彩ってくれております。

また、新年度に入り、多くの新職員を迎え入れて、気持ちを新たにしているところです。
研修医においては13名を迎えました。うち10名が西和医療センタープログラム、3名が奈良県立医科大学たすき掛けプログラムによる受け入れです。彼らには、今後の医師としての責務や患者さんへの思いやりを心の中に確実に醸成できるよう2年間修練してほしいと考えております。

ここからは、診療科医師の交代等、先生方にお知らせしておきたい内容を記載いたします。

まずは、循環器内科です。2003年以来22年に亘り、私が循環器内科部長を務めて参りました。副院長、院長を拝命した後も兼務を続けて参りましたが、新年度に奈良県立医科大学循環器内科の渡邉真言(わたなべまこと)准教授が、当院の循環器内科部長として赴任してくれることになりました。これからの循環器内科診療を彼に任せたいと考えておりますので、登録医の先生方におかれましても、ご指導の程、何卒宜しくお願い申し上げます(土肥も外来診療や心カテ等の診療は継続しておりますので、これまで通り土肥にもご紹介いただければ幸いでございます)。

次に、呼吸器内科です。これまで当院の呼吸器内科を牽引しておりました杉村裕子部長が、3月末で退職(4月から6月は非常勤で外来や病棟管理の仕事を続けます)となることに伴い、田村緑副部長が部長となり、さらに奈良県立医科大学呼吸器内科で「肺がん・間質性肺炎」を専門としてその領域に精通している新田祐子(にったゆうこ)先生が医長として新たに赴任します。この領域について、登録医の先生方の変わらぬご支援をお願いいたします。

最後に心臓血管外科の田村大和部長の退職のお知らせです。当院の心臓血管外科は、関寿夫先生(当院の元副院長兼心臓血管外科部長で現在は菟田野辻村病院院長)により立ち上げられ、その後も奈良県立医科大学心臓血管外科医局から派遣された医師の尽力により、当院の大きな看板診療科と言えるまでになりました。関寿夫先生の後を引き継ぎ、大きく貢献してきた田村大和先生がこの度3月末で退職しました。これに伴い、当院の心臓血管外科は、当面(数年後に奈良県立医科大学心臓血管外科から指導医を派遣いただけるまで)の間、非常勤医師による外来のみとなります。4月からは第2・第4金曜日の午後のみ、奈良県立医科大学心臓血管外科の細野光治教授に担当していただけることになりました。登録医の先生方におかれましては、これまで通り、心疾患・血管疾患は循環器内科でご紹介をお受けしております。特に心臓血管外科医に直接診察のご希望がある場合には、第2・第4金曜日の
(午後)にご紹介いただければ幸いでございます。

続きまして、令和6年度から開始されました、医師の働き方改革についてでございます。

当院は、コロナ禍においても医師の働き方改革を徐々に進めておりました。(例えば、コロナ専従班の医師は夜勤明けの日勤を免除して午前で帰宅する等の試みです。)少しずつ働き方改革を進める中で、全医師A水準を目指して、当初はA水準の申請をしておりました。しかし、令和4年度に2,200台だった救急搬送応需件数が令和5年度には4,200台、そして令和6年度もそれを上回るペースで搬送件数が伸び、夜間・休日のウォークイン救急外来患者数と合わせると7,700件を超える救急診療を、決して多くない医師・看護師で対応する事態となり、脳卒中や急性心筋梗塞、急性腹症等の緊急の治療を要する患者さんが増加しました。その結果、脳神経外科・循環器内科・消化器外科の医師における時間外業務が、年960時間を超えてしまうケースが多数発生することになりました。これを受け、令和7年度からはB水準(研修医においてはC1水準)を新たに申請し、この度、医療審議会の了承を得て、県の認可が無事に下りました。令和7年度からは、特にB水準で義務化されるインターバル時間の管理、代償休息の取得など、細かな管理に取り組み、将来的には全医師が、A水準の範囲で、心身共に健康で、働きやすい職場づくりを目指して参りたいと考えております。きまして、令和6年度から開始されました、医師の働き方改革についてでございます。

最後に、先生方には大変ご心配をおかけしております病院運営(特に赤字体質脱却)についてでございます。最も大きな課題であった病床稼働率について、昨年12月が91%、年が明けて1月は94%、2月が93%、3月が88%と、最近は比較的高い稼働率で運用できております。このように病床稼働率の上昇傾向が続いているのも全て、登録医の先生方の温かいお気持ちのこもったご紹介あってのことと受け止めており、心より深く感謝申し上げます。このような高い稼働率の維持の背景には、先生方の温かいご支援とともに、季節性の要因(冬は多くの救急要請がある)が大いにあったと考えています。当院の稼働率が最も低迷する4月から6月に高い稼働率を維持することが、病院の赤字体質脱却にとって大変重要であると捉えています。先生方のご支援なくては、西和医療センターの運営は躍進できませんし、新病院構想にも大きく影響いたします。何卒、引き続き、ご紹介をお願いいたします。
必ず長期持続可能な病院運営体制を構築し、将来も先生方とともに、安定した地域医療への貢献ができるように職員一同、前進して参ります。
地域の医療機関の先生方あっての西和医療センターであることを常に念頭に置き、新しい地域医療構想におきましても、しっかりとした急性期拠点機能を有する基幹病院となれますよう、現場の職員一同、最大限努力して参ります。

これからもご指導、ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

令和7年4月吉日

奈良県西和医療センター院長 土肥 直文

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