入梅の候、大雨や台風などの気象情報に注意が欠かせない日々を迎えていますが、先生方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?
さて、西和医療センターでは新病院の基本計画が進行中です。現場では、これまでの4年間、コロナパンデミックの対応の為、稼働を抑えていた一般病床の稼働を促進し、一般診療にも重点を置く方向に向かっております。このことについて先生方にもご理解いただき、紹介・逆紹介を一層増やして参りたいと考えております。
今回は、6月15日(土)の奈良県西部地域医療連携の会についてのご案内です。先月にもお詫び申し上げました通り、近隣地域の先生方の大切な集まりと開催日が重なったことにつきまして、お詫び申し上げます。ご案内のチラシを入れておりますので、お時間をお取りいただける先生方には、JR奈良駅前の「100年会館」まで是非、足をお運びいただければ幸いでございます。
2023年12月に導入いたしましたロボット支援手術(ダヴィンチ)は、泌尿器科における腎臓、膀胱、前立腺の手術で既に用いており、より低侵襲にもかかわらず、確実で柔軟な鉗子の動作が得られる為、手術の精密度の向上や出血量の低下など医療の質の向上に大きく寄与しております。5月からは肝臓領域にダヴィンチ手術を導入し、6月以降には、大腸、胃、更には婦人科領域までダヴィンチ手術を順次拡大して参ります。
今回の封筒の中には、乳腺外科のチラシを入れております。現在当院では、三郷町・平群町・斑鳩町の公的検診を受け入れております。今後は、西和7町全てと香芝市・広陵町等とも協議の上、検診受け入れ先医療機関の選択肢に入れていただくことを検討して参ります。たとえ、検診でなくても、乳房のなんらか症状(しこりかどうか判断に迷うような「しこりの疑い」)があれば迷わず、当院乳腺外科の高島 勉部長(前大阪公立大学乳腺外科病院教授)の外来までご紹介ください。院長である私が申し上げるのも大変恐縮ではありますが、経験豊かであり且つ優れた技術を持ち、一方で患者さんに大変優しい医師です。ご紹介いただいた患者さんにも大変喜ばれております。(院長といたしましては、この地にこれだけの高名な乳腺外科の専門医・指導医がいることを出来るだけ多くの先生方に知って頂きたいという思いでおります。)
さらに、循環器内科の連載チラシでは今回、「リードレスペースメーカ」をご紹介しております。ペースメーカの刺激伝導系(例えば左脚など)に直接リードをスクリューインして、人間の心臓がもっている刺激伝導系を伝導する「生理的ペーシング」は、高度な技術を要しますが、患者さんの予後向上のために、広がりつつあります。一方、鼠径の静脈からカテーテルを用いて、鉛筆程度の細さで10円玉よりほんの少し長いくらいのリードレスペースメーカは、開発当初と比べて電池寿命が長寿命(15年以上)となり、60~70歳代の患者さんにも使用できるというメリットが生まれています。もちろん心房波形(心電図ではP波)を心室のリードレスペースメーカが感知して、心室をペーシングすることが可能な心房心室順次ペーシングも実現しています。これらの先進的なペースメーカの手術についても、確実な手術技術が欠かせない分野です。是非、西和医療センターの循環器内科不整脈グループ(藤本源医長、大西里奈医師、藤原遼医師、平井香衣子非常勤医師)にお任せいただければ幸いでございます。心房細動や各種の不整脈の患者さんについて経過観察で問題ないかの確認の為であっても、不整脈外来までご紹介ください。
現在、医師の働き方改革の義務化が始まり、病院の診療体制も効率化が求められています。しかし、患者さん本位の医療を持続する為には、効率化を進めながらも、登録医の先生方の信頼、更には住民の皆さまからの信頼を得るために、「患者さんに満足して帰ってもらおう!この病院に来てよかったと言ってもらえる病院を目指そう!」と職員全員に日々呼び掛けております。今も先生方には、ご迷惑をおかけしている場面が多々ありますことを、各所からの報告で承知しております。今後も日々改善に努めて参りますので、末永く西和医療センターとの連携を密にしていただくことをこころよりお願い申し上げます。
2024年6月吉日
奈良県西和医療センター院長 土肥 直文