腫瘍以外でも、カテーテル治療が有用な症例があります。例えば、消化管出血は内視鏡で止血できる場合が多いのですが、内視鏡で止血できない場合は、カテーテル治療による血管塞栓術が功を奏する場合があります。また、腹部の術後出血、交通事故や外傷による肝臓や脾臓の損傷など、多量出血を伴うような臓器損傷などでもカテーテル治療による止血術が有効な場合があります。当院では、消化器内科や外科、救急部など関連する診療科との密な連携のもと、カテーテルで治療可能と判断された症例について、迅速に対応しています。
当院で実際に治療を行った例
A・B 転倒後に撮影した造影CT:Aでは左足が腫れ、血管が破れている箇所があります(矢印部)。
Bは血管を立体的に見やすいようにCT画像を編集しており、動脈が破れている箇所がわかりやすくなっています(黄矢印部)。
C 治療前の左足の血管造影(血管の写真):Bと同じように、造影剤が血管の外に漏れており、やはり血管が破れていることがわかります(矢印部)。この血管の近くまでカテーテルを挿入し、詰め物をしました。
D 治療後の左足の血管造影:血管が破れている部分に詰め物をしたため、造影剤を注入しても、造影剤が漏れているのは見えなくなっており、止血できました。
画像をクリックすると、画像が別画面で表示されます。