急性腎障害

急性腎障害は腎臓の機能が急激に低下することで体内の水・電解質のバランスがくずれ、毒素がたまってしまう状態です。急性腎障害を発症すると、治療で腎臓の機能が元通りに回復する場合もありますが、治療後も機能が回復せず(慢性腎障害CKD)、将来血液透析などの腎代替療法が必要となってしまう場合もあります。

症状としては急性腎障害を起こす原因によるものに加え、食欲不振や嘔気、全身倦怠感、尿量の減少などがあります。急性腎障害の原因には様々なものがありますが、おおまかに腎前性、腎性、腎後性に分けられます。

腎前性

脱水や貧血など、腎臓に入る血液が少なくなってしまうことで起こります。点滴で脱水を改善させる治療を行いますが、場合によっては胃カメラ・大腸カメラでの処置が必要になったり、輸血をしたりすることもあります。

腎性

薬剤や免疫の異常で腎臓そのものに炎症が起きてしまうことで起こります。腎臓に炎症がおきている原因を詳しく調べるために、腎生検という検査を行うこともあります。治療は原因となりそうな薬剤の中止や、ステロイドなどの免疫抑制剤を使用する場合があります。

腎生検中のイメージ

腎病理の1例

腎病理の1例

腎後性

前立腺肥大症や尿路結石など、尿の通り道が障害されてしまうことで起こります。泌尿器科と相談しながら石を取り除いたり、ステントを留置したりなどの治療を行います。

尿路結石のため右腎盂が拡張しているCT画像

尿路結石のため右腎盂が拡張しているCT画像 

当科経験症例

急性腎障害を疑ったら、いつでも当科にご相談ください。

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