腎臓内科からのお知らせ
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診療科概要
当科では、腎臓の『ゆりかごから墓場まで』、すなわち無症状の検尿異常や早期腎炎から、慢性腎臓病、末期腎不全・透析医療に至るまで幅広い医療を行っています。
また、当科は膠原病疾患や内分泌症患など、総合内科と協力し幅広い診療を行っています。
2022年末での日本全国の維持透析患者数は約35万人であり、今後もしばらくの間は増え続けると予想されています。慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)は末期腎不全のみならず心筋梗塞や脳卒中など心血管疾患の危険因子であり、日本人の8人に1人以上(1300万人以上)が罹患している国民病です。できるだけ早期に腎臓病を発見し治療を行うことで、腎不全の進行を遅らせ、透析療法の開始を先延ばしするだけでなく、腎臓病そのものの治癒も期待できる可能性があります。また、腎臓病に対する治療が心血管疾患発症の予防にもつながると考えられています。
地域診療を支えて頂いている近隣の医療機関と連携をすることで、CKDの早期発見を促進し専門的治療を行うとともに、患者さん向けの腎臓病教室や腎臓病教育入院も行い、少しでも県民の皆さまの健康に貢献することを目標としています。
トピックス
第53回日本腎臓学会西部学術大会において、板野明子医師が優秀演題賞を受賞されました。
外来担当表
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | |
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三診 | 森本 | 板野 | 加知 | 松田 | ||
五診(初診) | 安田 |
外来受付:午前8時30分~午前11時00分まで(予約、急患を除く)
疾患・治療
このような症状の方へ
このような症状があれば受診をお勧めします。
むくみや息切れ
急性腎炎やネフローゼ症候群の可能性があります。
倦怠感や食欲不振
急性腎不全や末期腎不全の可能性があります。
おしっこが少なくなった、あるいはおしっこがでない
腎炎、腎不全、尿閉などの可能性があります。
おしっこが泡立つ
ネフローゼ症候群の可能性があります。
おしっこの色がかわった
腎炎や泌尿科疾患の可能性があります。
健康診断で蛋白尿を指摘された
ネフローゼ症候群や慢性腎炎症候群の可能性があります。
腎疾患
腎炎・ネフローゼ症候群
健診や開業医の先生から、腎炎・ネフローゼ症候群を疑われてご紹介頂いた患者さんに対して、血液尿検査や腹部エコーなどの画像検査を行って慢性腎炎症候群やネフローゼ症候群の診断を行っています。その結果でさらに精密検査が必要と判断された場合には腎生検を積極的に実施しています。当院での腎生検施行数は年間約40例で、主に超音波ガイド下で安全に実施しています。
腎炎・ネフローゼ症候群の治療は、その原因となる病気の種類によってかなり異なります。患者さんにとって有益と判断された場合には、ステロイド剤や免疫抑制剤による治療を行います。治療を始める前に治療成績や副作用について時間を充分にとってわかりやすく説明するように心懸けています。
腎炎の半分近くを占めるIgA腎症の治療方法は、施設によって様々で意見が分かれています。当院では患者さんにとって最適な治療を検討し、患者さん個人に応じてレニン・アンギオテンシン系抑制薬の投与から口蓋扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法まで行っています。
慢性腎不全
日本では、成人の8人に1人が慢性腎臓病であり、血液検査でGFRが60未満または尿検査で蛋白尿(1+)以上が3か月持続した状態を指します。透析導入までの慢性腎臓病腎臓病に対しては、食事・薬物療法を中心とした保存療法を行って最大限透析導入までの期間を延長できるように努めています。それでも腎臓病が進行してしまった患者さんには、慢性腎臓病教育入院を勧めています。入院中に腎臓病についての説明や食事指導を行って、将来の腎代替療法への理解と不安を少しでも解消できるよう説明を行っています。
また、医療控除の対象となる腎臓機能障害に関する身体障害者の申請も行っていますのでお気軽にご相談下さい。
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)について
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は糖尿病の合併症のひとつで、透析導入の1番の原因です。大量の尿蛋白がみられるためひどくむくんだり、腎機能が急速に悪化して早期に腎代替療法が必要になることが多いです。蛋白尿陽性、むくみ、腎機能が悪い糖尿病性腎症の患者さんは早急に腎臓内科への受診ください。
膠原病
膠原病は、免疫系が誤って体の健康な部分を攻撃する自己免疫疾患の一種です。この病気では、体の中にある「膠原線維」と呼ばれる組織が攻撃され、炎症が引き起こされることがあり、この炎症が腎臓に影響を及ぼすことがあります。膠原病は原因不明の発熱や関節痛、皮疹などで疑われます。こうした症状が検尿異常とともにみられた場合は、腎臓内科へ受診してください。免疫抑制療法や血液浄化療法を用いて治療を行います。
急性腎障害
多発性嚢胞腎
腎代替療法
腎代替療法には、腎臓の機能のうち、体液量やミネラルの調節・老廃物の排泄を補うことができる透析療法(血液透析と腹膜透析)と、腎臓のほぼすべての機能を補うことができる腎移植があります。
血液透析は、透析室に週3回通院し、3-4時間行います。血液透析を行う前には内シャントなどのバスキュラーアクセスの準備が必要となります。内シャント作成術は泌尿器科が担当していて、3日間の入院が必要になります。シャントが使用可能となれば(約2週間)透析導入のため入院します。
腹膜透析は、透析液を腹腔内に貯留して腹膜を使用して老廃物の排泄を行います。腹膜透析を行う前には腹腔内に透析用カテーテルを挿入するための手術が必要で、泌尿器科が担当しています。当院では、泌尿器科で手術した後、腎臓内科に転科して腹膜透析を導入します。
そのほか、薬物中毒や一部の自己免疫性疾患などにおいて、血漿交換等の血液浄化療法を担当しています。
スタッフ紹介
森本 勝彦
腎臓内科部長
人工透析室長
臨床研修医支援室長
臨床研修プログラム責任者
専門分野
腎臓疾患全般
腎代替療法
糖尿病性腎症
各種血管炎
腎疾患を合併する膠原病
一般内科
専門医
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医・近畿支部評議員
日本腎臓学会認定腎臓専門医・指導医・評議員
日本透析医学会認定透析専門医・指導医
日本プライマリケア連合学会認定医・指導医
多発性嚢胞腎協会PKD認定医
日本内科学会認定JMECCインストラクター
日本救急医学会認定ICLSコースディレクター
日本静脈経腸栄養学会TNT研修会修了
京都大学(現名古屋大学)FCME修了
岐阜大学医学教育開発研究センターフェロー
厚生労働省認定臨床研修指導医
Fellow of the International Society of Nephrology
(FISN, 国際腎臓学会上級会員)
Fellow of the American College of Physicians
(FACP, 米国内科学会上級会員)
板野 明子
医長
専門分野
腎臓疾患全般
血液浄化療法(透析 血漿交換など)、
腎疾患を伴う膠原病や血管炎などの自己免疫疾患
一般内科
専門医
日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会認定腎臓専門医
日本透析医学会認定透析専門医
多発性嚢胞腎協会PKD認定医
腎代替療法専門指導士
日本内科学会認定JMECCインストラクター
厚生労働省認定臨床研修指導医
加知 直樹
医員
専門分野
腎臓疾患全般
一般内科
専門医
日本内科学会 専門医機構認定内科専門医
日本腎臓学会会員
日本透析医学会会員
松田 悠里
医員
専門分野
腎臓疾患全般
一般内科
専門医
日本内科学会会員
日本腎臓内科学会会員
日本透析医学学会会員
木下 舜一
専攻医
専門分野
腎臓疾患全般
一般内科
糖尿病
内科一般
専門医
日本内科学会会員
日本糖尿病学会会員
日本透析医学学会会員
安田 由利子
専攻医
専門分野
腎臓疾患全般
一般内科
専門医
日本内科学会会員
日本腎臓学会会員
日本透析医学会会員
施設認定
- 臨床研修指定病院
- 社団法人日本内科学会認定制度教育施設
- 社団法人日本腎臓学会研修施設
- 社団法人日本透析医学会認定施設
- NPO法人日本腎臓病協会認定腎臓病療養指導士研修施設
診療実績
更新日
2023年6月1日
(年別実績)
年度 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
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経皮的腎生検 | 25 | 23 | 42 | 36 | 40 | 30 | 28 | 34 | 41 |
透析導入 | 20 | 27 | 32 | 34 | 35 | 47 | 44 | 54 | 54 |