奈良県立病院機構奈良県西和医療センター総長を2022年4月1日に拝命いたしました、斎藤能彦(さいとう よしひこ)と申します。3月31日まで、奈良県立医科大学循環器内科で20年間、循環器医療・研究・教育に携わっておりました。この度、上田裕一理事長より西和医療センターで働く機会をいただきました。身に余る光栄と感謝しております。紙面上で大変失礼ですが、一言挨拶をさせていただきたく存じます。
西和医療センターは奈良県西部の基幹病院としての役割を果たして来ております。高齢化と少子化の進む我が国において、奈良県もその例外ではありません。ただ、奈良県の中にあっては、西和地区は、他の地域よりは人口減少が少なく、住民の年齢構成が、他の地域と比べやや若い方にシフトしており、お子様の数が増えている地区もございます。このような地域のニーズにきっちりお応えできる病院として、さらに、皆様から、より信頼され愛される病院に成長できるように努力する所存です。そのためには、登録医の先生方をはじめ地域の病院の先生方、また多くの西和地区の医療関係者の皆様のご指導、ご助言、ご協力が必要でございます。この西和医療センターを皆さまのお力で育てていただけますようお願い申し上げます。
4月に着任し1ヵ月ほどが経過しました。まだ、右も左もわからない状況です。病院に入ったその時の雰囲気が、3月まで勤めておりました大学に比べますと温かいものを感じます。地域の基幹病院としての役割を職員一同が自覚しているとともに、患者さんも慕ってくださっているのだろうと肌で感じるところです。過去2年間はコロナ対応に追われ、一般診療に対する対応が少し不十分になり皆様にご迷惑をおかけしたことも多かったと拝察しております。ご容赦願いたいと思います。今後は、コロナ医療を軽んずるわけではありませんが、一般診療にも軸足を移して、基幹病院としての役割を果たす覚悟です。私も、火曜日の午前に外来診療を担当することになりました。心不全等でお困りのご症例がございましたらご紹介いただければ幸いです。心不全医療は、今や医師のみが担う病気ではなく、多くの医療関係者、さらには、住民の皆様を含めた地域でケアしなければいけない疾病であります。西和医療センターも、その一つのパーツとして責任を果たすと共に、地域医療のリーダ的存在として信頼されるように自覚を持って努力したいと考えております。
西和医療センターは移転新築を視野に入れた、新しい西和医療センターの建設議論を開始しております。日本一の医療地域を目指して、患者さんによし、地域の医療に関わるすべての人々によし、西和医療センターによし、の三方よしのコンセプトで計画にも携わって参ります。今後とも、ご指導とご協力を賜るよう宜しくお願い申し上げ、挨拶とさせて戴きます。
令和4年5月吉日
奈良県西和医療センター
総長 斎藤 能彦